●7.22 世紀の天文ショー「皆既日食」 奄美大島に行ってきました (2009年09月12日)
日本の亜熱帯、奄美大島。2009年7月20日、翌々日に迫った皆既日食を観測するために上陸しました。家族5人で日食ツアーは正直「ありえない」お値段でしたが、国内で、しかも今世紀最大の食、ちょうど学校も夏休み、さらに子ども達が大好きなポケモンとのタイアップツアー、ということで、まさに「清水の舞台から飛び降りる」気持ちで参加したのです。
さて、夏の奄美は暑い熱い。着いた日の気温は32℃と本州でも珍しくないほどなんですが、空気がきれいなのと、日光がまっすぐに下りてくるせいでしょうか。日差しがいつもより熱く感じられます。この太陽が全て隠れるところが見られるんだ、とわくわくしながら、前日まではハブとマングースの対決や、珊瑚礁のビーチを楽しんでいました。
宿泊および観測場所は奄美大島北東部にある、太陽が丘総合運動公園のテントサイト。グラウンドにびっしりとテントが並んでいます。いよいよ明日朝は日食、という21日の夕方、テントサイトの本部からは全長30cmくらいの大きなてるてる坊主が、各テントに配られました。我が家はピンホールカメラの準備をするため、一家総出でポテトチップをバリバリ。ちょっとした前夜祭です。
さて、いよいよ22日の朝。6時前に目を覚まして外を見ると空は一面の雲。不安になりながらも、これから晴れてくれることを信じて待つしかありません。午後にはテントを離れるので荷造りや観測準備に忙しくしていると、幸い日が差してきました。テントの前にレジャーシートを敷き、ピンホールカメラの位置を調整して待ちました。
9時40分頃、日食グラスを覗くと上の方が欠けているのが分かりました。子ども達も「おー欠けてる!」「かじったせんべいみたい」と興奮気味。せっかちな長男は「欠けてるのに明るいよ!」ピンホールカメラを覗いてみると、上下逆転して下の方が欠けた、8mmくらいの太陽の形が映っていました。
しかし、これからという時に雲が多くなってきました。10時を過ぎた頃から雲が厚くなり、肉眼では太陽の位置は分かるのですが、日食グラスで見ると真っ暗にしか見えないのです。それほどに日食グラスは日光を遮る能力があること、そこまで遮らないといけないほど、日光は強い光で目を痛めるということなんですね。しかし見えないのは悲しい。光が弱いので、ピンホールカメラにも太陽が映りません。
その後も曇天が続き、太陽が欠けている姿はほとんど見えません。減光フィルターは持っていなかったのですが、デジカメで撮影してみました。残念。やはり光が強すぎて、丸い太陽にしか見えませんでした。それでも10時40分を過ぎた頃から、明らかに暗くなってきました。夏の日没後、ぼんやり周りが見える頃のような景色です。心なしか、暑さも和らいでいる感じがしました。空がどんどん暗くなってきます。蝉時雨は止み、代わりにカラスが騒ぎ出しました。

10時55分、皆既の始まる時間です。残念ながら雲に覆われて、ダイヤモンドリングもコロナも見られず、暗くなった空に星を見ることもかないませんでした。それでも空は真っ暗、なのに山の稜線は薄明るく、なんとも言えない幻想的な光景です。
11時頃から、今度は次第に明るくなり始めました。それも西側から!今回の日食は、地上から見ると月の向こうを下から上へと太陽が通り過ぎていったので、太陽の上側、つまり西の方角から光が戻ってきたのですね。夕焼けとも違い、昼間の明るさが少しずつ戻ってゆく不思議な感覚。ダイヤモンドリングのような激しさはなくても、じわーっと静かな感動がありました。
お昼近くにはすっかり明るくなり、周りを見渡すとみんな感動と落胆が入り混じった複雑な表情でした。子ども達は「ダイヤモンドリング見たかったなー」「でも暗くなったよね」「あれすごかったねー」と話す子たちもいれば、近くのテントの子と意気投合して走り回る子も。期待していた天文ショーにはならなかったけど、みんな穏やかな表情でテントサイトを引き上げたのでした。
本当はピンホールカメラで太陽が欠けていく様子を10分おきに撮影して…と考えていたのですが、欠け始めの2枚を撮った後は曇ってしまい、実現できませんでした。空が暗くなり始めて気づいたのですが、たとえよく晴れていても日食が進んで暗くなったら、やっぱり光が足りなくてピンホールカメラは役に立たなかったかもしれませんね。せっかくなので、取っておいて今度部分日食の観察に使うつもりです。
次は2035年!とテレビなどでは言っているようですが、その前に3年後、2012年5月には金環日食があるんですよ。学校や会社に行く前の朝早い時間なので、家族揃って東の空をながめてみませんか。もちろん日食グラスを忘れずに。
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投稿者 kksblog : 2009年09月12日 22:27



