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「校務の情報化はハード・ソフトの両面から」情報教育対応教員研修全国セミナー報告 (2007年08月03日)

 1学期を終え、教材研究や休み明けの授業の準備を考えている先生も多い。社団法人日本教育工学振興会(JAPET)は現在、各地で 「情報教育対応教員研修全国セミナー」 を開催している。7月28日にはエプソン販売・本社(東京都新宿区)を会場に、校務の情報化についての基調講演や、 プロジェクターや大判プリンタを活用した実践事例報告、ワークショップが行われ、 50名を超える先生が参集した。

情報教育対応教員研修全国セミナー(エプソン販売本社にて)

◇          ◇

 基調講演では、神奈川県相模原市教育委員会の門倉松雄指導主事が同市における校務の情報化について報告した。 相模原市では小・中学校情報教育検討委員会を立ち上げ、現場のニーズに合わせた学校の情報化を推進、昨年8月の1500台のPC整備に続き、 今年8月にも同じくPCを1500台導入、これにより先生一人1台PCの環境が実現するなど、積極的に教育の情報化に取り組んでいる。

 このPC整備の取り組みは、校務の情報化に関わる整備事業として、平成17年度からの3か年計画で進めていた事業の一つで、 このほか学校間を結ぶ教職員用グループウェア「e-ネットSAGAMI」の開発、学校セキュリティポリシーの策定、 個人情報管理用サーバの設置、教育委員会内の合意形成、ネットワークの効率的な管理を推進してきた。

  「校務の情報化は、教材研究や子どもと触れ合う時間を確保し、 教員間のコミュニケーションを活発化する環境づくりと捉えて取り組んでいる」(門倉指導主事)

 相模原市は、十分とは言えない教職員のコンピュータスキルやセキュリティ面から、 校内LAN整備の前に職員室のネットワーク化を優先して進め、「e-ネットSAGAMI」を利用した教育情報の共有化や情報交換の推進、 セキュリティポリシーの徹底、学校間および教育委員会との事務文書の受領・発送に掛かる校務処理時間と経費の節減に取り組んできた。

 なかでも校務の情報化を考える上で不可欠なのは情報セキュリティの確保だ。そこで同市では、データの自動暗号・ 復号化を行うUSBキー 「ハードロッキー」(JMCエデュケーションズ)を教員一人に1本整備した。これにより、個人情報サーバを定時(夜間) に自動で暗号化したり(朝になれば最初の認証キー挿入で復号化)、持ち出しデータ(許可制)の自動暗号化や、 自宅利用時のインターネット接続の自動遮断が可能になるなど、ICTに不慣れな教員でも「抜き差し」 だけで情報を保護する暗号化USBキーの活用が、結果としてセキュリティポリシーの策定・運用を助けることになったという。

 校務の情報化に取り組むポイントについて、門倉指導主事は「ついハードの整備を優先して考えてしまうが、 校務の情報化はハードとソフトを合わせて整備する事が大切。行政だけでなく現場の意見を聞きながら、カスタマイズすることも必要」 と説明した。
 ⇒相模原市の学校の情報化への取組みはコチラ

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 丈夫で色褪せずにマジックで書き込めるなど、幅広い専用用紙が揃い学校での活用の幅も広がっている大判プリンタ。

大きく出力して分かり易くインパクトある授業を、と武藤真純教諭  
 武藤真純教諭(豊島区立目白小学校)は、「目標と進捗の 『見える化』、授業での実践、成果発表といった一連のながれの中で大判プリンタを活用」と題して実践事例を発表した。

 大判プリンタの教育利用について武藤教諭は、 「長篠の合戦の屏風絵など、社会科の資料や地図は大きく出力して掲示すると効果的。 良い技術があっても皆が使えるようになるのは簡単ではないが、プリンタなら誰でも使える」と説明、そのメリットについて 『大きくて見やすくインパクトがある』、『(Webサイトなどから)リアルタイムの資料を提供できる』、 『授業中や後に出力用紙に書き込みできる』、『PC上で素材を切り貼りできるので作業効率がよく、自由な発想で制作できる』と述べ、 実際に出力した迫力ある世界地図やグラフ等を参加者に紹介した。

 昨年の同セミナーへの参加がきっかけで、武藤教諭はエプソン社製プリンタをモニター利用、積極的な授業活用でこの日の事例発表を迎えた。 当日会場で行われたワークショップ-大判プリンタ体験講座 「授業で使えるペーパークラフト!」、 液晶プロジェクター投影コンテンツ作成体験講座「デジカメ写真で作る学校紹介ビデオ」も、 申し込み段階で早くも締切られる賑わいを見せるなど、エプソンの学校市場への意欲的な姿勢が感じられるセミナーだった。

ワークショップ「授業で使えるペーパークラフト!」
(ワークショップでは、工作用の絵柄を作成し、大判プリンタでペーパークラフトを出力。 平面に出力して終わり、ではなく出力したものをどう授業で使うのか、工夫次第で様々な授業が展開できるプリンタの利点の1つ)

KKSブログ:エプソン販売プリンター記事
【関連サイト】エプソン製品プロジェクタ事例サイト
【関連サイト】大判プリンタ学校セットキャンペーンモデル (エプソン)
【関連サイト】教育機関向けセットモデル販売 (日本ヒューレットパッカード)



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投稿者 kksblog : 2007年08月03日 10:19


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