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123億光年彼方に「モンスター銀河」を発見! 銀河発見の遠方記録更新 (2008年07月18日)

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私たちが暮らしている星、地球の年齢は約45億年、宇宙の年齢は約137億年だと言われています。地球のある天の川銀河では、今でも新しい星が1年あたり10個の割合で形成されていて、宇宙がおよそ36億歳のころに星形成を始めたと考えられています。

カリフォルニア工科大学、愛媛大学などの国際共同研究チームは、普通の銀河の数百倍以上の勢いで星を作っている巨大銀河、別名「モンスター銀河」を123億光年彼方に発見しました。この銀河は1年間当たり4000個という驚くべき勢いで星を生み出しており、ピーター・ケイペック博士曰く「『ベビーブーム』の最中にいる」のです。

この銀河を最初に検出したのは、NASAのハッブル宇宙望遠鏡とハワイにある日本のすばる望遠鏡でしたが、非常に暗い銀河の一つと見られていました。ところが、スピッツァー宇宙望遠鏡とジェームス・クラーク・マックスウェル望遠鏡を使って、この天体を赤外線とサブミリ波(波長1ミリ以下で赤外線より波長の長い電波)で観測したところ、この銀河が非常に明るいということが分かりました。

この観測結果から、この銀河が大量の若い星を含んでいることが考えられました。星が生まれる時には、蓄えられたエネルギーが赤外線とサブミリ波帯の電波で放射されるのです。このため、スピッツァー宇宙望遠鏡とジェームス・クラーク・マックスウェル望遠鏡で見ると猛烈に明るく観測されたのです。

これまでにもモンスター銀河が発見されたことはありますが、これほどの遠方宇宙では稀なことです。今まで見つかっていた最も遠いこの種の銀河の距離は約110億光年なので、一挙に13億光年記録を更新したことになります。

宇宙での距離の更新はすなわち年代の更新です。今回の発見は、宇宙が誕生して14億年のころにモンスター銀河が存在したということになります。これは現在考えられている、小さな銀河の種が合体して大きな銀河に育つという銀河形成のシナリオと矛盾するのです。

これが即、銀河形成の考え方を根底から覆すということにはなりませんが、現在の定説に一石を投じたと言えるでしょう。宇宙はまだまだ謎に満ちています。研究により一つの謎が解明されると、それが新たな謎を掘り起こす。それこそが研究の醍醐味であり、研究者を引きつける魅力なのでしょうね。

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投稿者 kksblog : 2008年07月18日 07:09


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