文部科学省は今年6月を目途に令和6年度の大学入試の方向性を示す。
それに伴い大学入試のあり方に関する検討会議(第 22 回)がオンラインで3月4日、開催された。本検討会議では、高等学校の教育改革(※)を踏まえた選抜を検討している。
※高等学校において、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を通して、生きて働く知識・技能の習得や未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育 成、学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養を目指す
この日の討議では、コロナ禍収束後の継続が地理的・経済的事情への配慮の観点からオンライン面接を推進すべきという文科省の指摘について、「大学・高等学校ともにインフラ不足。その強化と財政的支援が必要。オンライン面接の推進とともにその課題について盛り込むべき」と指摘。また、「EIPP(Evidence Informed Policy Making)を進めていく観点からは、データ基盤の充実を提言に盛 込む必要がある」と指摘された。
「主体的・対話的で深い学びをでは大学入試に対応できない」という意見を持つ高等学校教員もいる。しかし大学の入試問題はすでに数年前から大きく変わっており、教科横断的な問題、データを読み解く出題など「知っていることを問う」内容ではなくなってきている。これまで通りの受験対策では対応できない時代がすでに始まっている。
インフラ的にオンライン面接に対応できない大学もまだ多いかもしれないが、取り入れる大学は着実に増えていくだろう。