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平成19年9月26日、福田内閣が発足・・・これからは?(後編) (2007年10月05日)

教育再生会議については、伊吹文明・前文部科学大臣が安倍内閣最終の閣僚懇談会となった日の会見で、「教育再生会議というのは、閣議決定でできた安倍総理の私的諮問機関的なものであり、形式的には、次の総理になられる方の判断によるものの次の総理も教育再生会議は存続させられるのではないか」という見解を示していました。

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by yun

26日の町村信孝・新官房長官は、記者会見で、教育再生会議について「引き続き活動していただく。会議の報告を実現していく姿勢は、福田内閣でも変わらない」と表明しました。そして、「文相、文部科学相を経験した私が官房長官にいるわけだから、教育問題をおろそかに扱うことはない」と強調しました。

こうして、福田新内閣が発足したわけですが、同6日、渡海紀三朗・新文部科学大臣は、安倍晋三・前首相の教育改革路線とされる“競争原理の導入”について「義務教育には持ち込むべきではない。基本的には学校間の競争は極力さけなければいけない」と否定的な見解を示しました。また、政府の教育再生会議が導入を検討している教育バウチャー(利用券)制度にも、慎重な姿勢を示しています。

渡海文科相は、“バウチャー制度”についても、「バウチャーをもらっても、学校が選択できないといったような地域的な問題をクリアしないと、活力は出ない」と発言しました。

”バウチャー制度”とは、授業料に充当できる一定額の利用券(バウチャー)を行政が保護者に支給し、児童・生徒が選択した学校に利用券を渡し授業を受ける仕組みです。学校は受け取った枚数に応じて行政から補助金を受けるため、学校間で競争原理が働くとされています。

さらに「教育は市場原理にはなじまない。ひずみは社会の不安定を招く」と再生会議の方向性にも疑問を示しています。

また、『道徳』を名称変更し、『徳育』にするという再生会議の提言に、渡海文部科学大臣は、「言葉は重要ではなく、中身をしっかりやっていくべきであり、なぜそう言わなければいけないのか聞いてみたい」と述べています。

再任された山谷えり子首相補佐官は、「再生会議の報告はどんどん実現している」と強調しましたが、道徳の教科化についての中央教育審議会での議論が遅れており、「道徳の教科化が進まなければ再生会議として何らかの意見を出すことがある」と牽制(けんせい)もしています。

日本教育再生機構の八木秀次理事長は「教育再生は福田内閣でトーンダウンするだろう」とみています。これまでも官邸主導の教育再生会議と文部科学省・中央教育審議会との力関係が、再生会議の報告の実現化に表れてきており、最も象徴的なのが、道徳教科化の後退だとしています。

今後、官邸が再生会議を支えていかなければ、教育再生議論は限定的なものや机上の空論になりかねず、「このまま3次報告を出しても政策化はあやしい」と八木理事長は危惧しています。

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投稿者 kksblog : 2007年10月05日 07:27


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