●右脳と左脳の構造の違いを発見、シナプスの大きさは左右非対称? (2008年11月21日)
自然科学研究機構 生理学研究所と科学技術振興機構(JST)、理化学研究所の共同研究チームは、記憶形成をつかさどる部位(海馬)では神経のシナプス(神経と神経のつなぎ目)の形や大きさが右脳と左脳で異なることを明らかにしました。
ヒトの右脳と左脳の機能的な違いについては、例えば言葉は左脳優位、空間認知は右脳優位、と知られています。しかし、神経のつながり方が右脳と左脳でどのように違うのかを明らかにした研究はありませんでした。具体的には、脳の中の神経のつながり方など、細かい構造の違いやつながり方の違いは分かっていませんでした。
今回の研究により、海馬(特にCA1と呼ばれる場所)にある神経シナプスの形を調べたところ、色々な大きさのものがあり、小さなものや大きなマッシュルーム型のものも見つかったそうです。
そして、このシナプスの大きさの違いは、そのシナプスに存在するグルタミン酸受容体のたんぱく質の分子の数(密度)の違いと関係していることが分かりました。また小さいシナプスと大きいシナプスでは、豊富に含まれるグルタミン酸受容体の種類も異なっていました。
シナプスのつながり方を調べたところ、左脳と右脳では、つながり方によってシナプスの大きさと受容体の密度が左右非対称になっていることが分かりました。例えば、左脳では同じ左脳からの信号を受け取るシナプスは小さく、反対側の右脳からの信号を受け取るシナプスは大きくなっていました。また、右脳では正反対になっていたそうです。
これまでにも右脳と左脳では機能の違いがあることが分かっていましたが、今回の発見によってその機能の違いを科学的に説明することができるかもしれないということです。この研究を足がかりにすれば、右脳と左脳の機能が実際に違う理由を科学的に説明できるようになると考えられています。
日本の研究者チームが快挙を成し遂げました。このような分野の研究が進むと、難しいとされていた脳の病気などの解明につながっていくかもしれません。子どもたちには難しい話ですが、少し噛み砕いて科学の時間の小ネタなどにしてみてはいかがでしょうか。
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投稿者 kksblog : 2008年11月21日 17:20



