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生徒のwell-beingは?~OECD生徒の学習到達度調査2015年調査結果より (2017年04月27日)

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国立教育政策研究所が、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)2015年調査国際結果報告書から、『生徒のwell-being(生徒の「健やかさ・幸福度」)』について公表しました。

well-beingとは、生徒が幸福で充実した人生を送るために必要な、心理的、認知的、社会的、身体的な働き(functioning)と潜在能力(capabilities)と定義しています。

この定義に基づき、 国際報告書では、生徒のwell-beingは「心理的」「認知的」「社会的」「身体的」という4つの大きな特徴があり、その各特徴の中には様々な側面(aspect)が存在し、これらの特徴が相互に密接に関連し、その相互作用の結果としてwell-beingの状態があると捉えています。直接的には、学校や地域社会の環境や先生、友人、家族等から影響を受け、教育政策テクノロジー、社会規範等も背景要素として、学校や教師、家族等の直接的要素を媒介して、生徒個人のwell-beingに影響を与えるとしています。

生徒の満足度調査をみると、日本は平均値6.8で、OECD平均値7.3と比べて低い結果に。しかし、低い10か国の中に、香港、台湾、韓国といった東アジア6か国が含まれていることから、何に価値観を置き、幸せや満足を感じるかは、文化による違いが大きいのかもしれません。

生徒の学校への所属感をみると、日本の平均値は-0.03で、OECD平均値0.02と比べて低い結果に。「学校ではよそ者だ」「学校ではすぐに友達ができる」の項目において、2003年のほうが2015年に比べて所属感が高くなっています。

いじめについてみると、日本の平均値は-0.21で、OECD平均値0.00と比べて低い結果に。各項目の割合をみると、言語的ないじめの「からかわれた」が最も多く、次いで物理的な「たたかれたり、押されたりした」、関係的な「意地の悪いうわさを流された」と続きました。

朝食についてみると、朝食を食べた割合はOECD平均値78.0%に対し、日本は92.5%。朝食を食べた生徒と食べなかった生徒の科学的リテラシーの得点差をみると、OECD平均では朝食を食べた男子のほうが4点高く、女子は9点高い結果に。日本は男子は31点高く、女子は24点高い結果でした。

学校外でのICT利用についてみると、日本の「家庭におけるICT利用」指標の値は7.8で、OECD平均8.4より0.6低い結果でした。なお、日本は「余暇のためのICT利用」指標は-0.45、「宿題のためのICT利用」指標が-1.21で、学校外の生活において、インターネットを利用する頻度が他国に比してきわめて少ないことがわかりました。

生徒が持っている知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるか、義務教育の真価が問われそうです。


OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)『生徒のwell-being(生徒の「健やかさ・幸福度」)』について | 国立教育政策研究所



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投稿者 kksblog : 2017年04月27日 21:33


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