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「幼児教育の推進体制構築事業」の実施に係る調査分析~文部科学省 (2017年05月16日)

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文部科学省は、平成28年度「幼児教育の推進体制構築事業」の実施に係る調査分析事業の成果報告書を公表しました。

調査研究は、「幼児教育の推進体制構築事業」の効果的・効率的な実施のため、採択先の各地方公共団体における取組を比較・分析することにより、地方教育行政における幼児教育の質向上に向けた取組を実施する際の課題や問題点、優良事例等を抽出し、定性的・定量的に分析・把握するものです。

第1章では、現地調査を実施した秋田県、静岡県、高知県等の取り組み等を報告、第2章では、全国の都道府県および市区町村を対象とするアンケート調査の結果を報告しています。第3章では、現地調査とアンケート調査の結果を踏まえて、幼児教育推進体制の構築・充実に向けて検討すべきことを提示しています。

アンケート調査によると、幼児教育の内容・指導方法等に関する調査研究や幼児教育アドバイザーの研修などを実施する幼児教育センターを設置しているのは、回答自治体の4%。95%が今後も設立する予定はありません。幼児教育アドバイザーと幼児教育担当の指導主事のマンパワーが不足。常勤のアドバイザーを設置している自治体は12%で、非常勤のアドバイザーを1名以上配置している自治体は12%です。

調査結果から、自治体は幼児教育センターの設置・充実よりもアドバイザーに重心を置いていほうが多いようです。これは幼児教育・保育の権限の大半が市町村に属していることも関係しているようですが、同時に幼児教育センターののミッションが明確になっていないことも大きいと考えられます。

また、幼児教育・保育は私立の割合が高く、公立であっても都道府県は教職員に人事に関する権限を有しているのではないため、教育センターに人材を配置して研修や研究をすることが義務教育や高校教育に比べて難しいのが現状。今後幼児教育センターを設置していくにあたっては、義務教育等との相違をふまえながら、幼稚園・保育所等がどのような支援を求めているのかを把握しつつ、地域の実情に即したセンターの役割や機能を検討している必要があると考えられます。幼児教育アドバイザーについては、どのような職務経験を得たアドバイザーが望ましいかの検討が必要。私立の幼稚園・保育所等には私立の団体等につながりの深い実践家にするか、幼児教育には少し距離はあるが義務教育や特別支援教育などで優れた見識・経験を有する実践家にするか、など考えるべき点が挙げられます。

将来的に幼児教育が義務化されれば大きく変容する可能性があるものの、当面は現状の制度的な特徴・特性を十分に考慮しながら幼児教育の指導体制の充実・強化の方策を考えていく必要があります。


平成28年度「幼児教育の推進体制構築事業」の実施に係る調査分析事業 | 文部科学省



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投稿者 kksblog : 2017年05月16日 20:39


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