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鳥たちのトレンド事情~メスは、今年流行の外見をもったオスを選びたがる!? (2008年02月29日)

国立科学博物館の西海功氏によれば、鳥のメスの好みには「流行り廃れ」があることがわかりました。

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カタジロクロシトドのオス

私たち人間の恋の表現はとても複雑で、好まれる顔にも流行り廃れがあります。実は、このような「好みの違い」や「好みの流行り廃り」は、人間だけの特徴ではないことが最近わかってきました。

アメリカ、カリフォルニア大学サンタクルズ校のA. S. Chaineらのチームは、アメリカ大陸中西部・グレートプレーンズに生息する小型の渡り鳥、カタジロクロシトドを5年間に渡って観察し、メスがつがいの相手として好むオスの身体の大きさや色、模様など、外見の特徴を調査しました。

その結果、メスがつがいの相手に求める「見た目」の条件が年ごとに大きく変化したこと、メスは良い縄張りを持っているかどうかや健康かどうかなどの条件よりも、その年流行の見た目かどうかを重要な基準としてオスを選んでいるらしいことが示唆されたのです。

これまで、鳥のメスは常に同じ基準でオスを選択していると信じられてきました。例えばインドクジャクでは尾羽(上尾筒)がより長く、目玉模様の数の多いオスが選ばれ、多くの子孫を残すことができます。この「好み」は長期に渡って変わらず、その結果インドクジャク全体として、オスの尾羽はより長く、目玉模様はより多くなっていったと考えられます。

一方で、メスの好みに「流行り廃り」があるカタジロクロシトドのメスがさまざまなオスを選択すると、さまざまな特徴を持つオスの遺伝子が保存されることになります。そして、種の中の遺伝子多様度が維持され、何らかの極端な特徴だけが残されることはなくなります。

クジャクではメスの好みが偏りすぎてオスの外見的特徴は目立つ以外の役に立たず、生きるためにはかえって不利なほど極端になってしまうこともあるのです。メスの好みが変わることで、このような「行き過ぎ」が防がれているのかもしれません。 メスがさまざまな特徴のオスを選ぶおかげで、オスの多様な外見的特徴が保たれ、また進化したということもいえるのです。

人間だけではなく、鳥の世界にも外見の好みの違い、流行り廃れがあったとは驚きですね。先生方、この新しい発見を理科の授業などで取り上げてみてはいかがでしょうか?子どもたちにも興味をひきつける話題になるはずです。

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投稿者 kksblog : 2008年02月29日 20:26


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