
永野淳太郎/著
ミネルヴァ書房
四六判 168頁
2200円
テレビなど様々なメディアに出演し、公的機関の要職を務めるなど多方面で活躍した服部幸應氏。料理学校の校長として学生たちの人間としての成長を促し、「食育」のムーブメントを先導し普及に尽力した。その生涯と考え方を紹介する。
料理学校の創立者の家に生まれ、幼い頃から食に対する感覚を磨いた。好奇心旺盛な学生時代を経て、早逝した父母の後を継ぎ、学校経営に携わる。海外の著名なシェフを招き料理講習会を開催し、学校の知名度を高め、交流も深めていく姿も描かれる。
「食育」への想いを深めた背景として料理学校の学生たちの「食事日記」のエピソードを紹介。学生たちの多くが朝食抜きだった実態に衝撃を受けたことから、食育の適齢期を調べ、その体系化に取り組み、食育とは何かを一般に広め、政治にも働きかけていく。「食育基本法」が成立したのは2005年のことだ。
「食べ物は、人を良く(心身ともに健康で生き生きと)しなければならない」というのが服部氏の信念だった。2024年の急逝が惜しまれる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年7月27日号掲載