ゼンリンミュージアム(福岡県北九州市)は、江戸時代を代表する地図製作者として日本の地図作りに技術と情熱を注いだ、長久保赤水と伊能忠敬の2人の功績にフォーカスした企画展「江戸時代の地図づくり 集めた赤水・歩いた伊能」を開催する。会期は1月13日~5月12日まで。
江戸時代、全国を歩いて測量し正確無比な日本地図を作ったことで知られる伊能忠敬。対して、長久保赤水はあらゆる手段を講じ、資料や情報を集め、伊能忠敬よりも半世紀早く精巧な日本地図を完成させている。
二人の地図製作者の対照的な製作工程を比較することで、地図の目的や用途の違い、立場の違い、それぞれの地図製作に対する思いを紹介する。
地図の製作工程に着目し、長久保赤水が地図作りの際に集めた資料や、伊能忠敬らが使った測量器具・製図道具、それらをもとに完成した「赤水図」と「伊能図」の比較などを、約30点の地図や資料で紹介。
「改製日本分里図(輿地路程図草稿)」 長久保赤水 明和5年(1768年) 高萩市歴史民俗資料館 所蔵
▲赤水が約17年の歳月をかけて製作した図。地形や地名の修正や、和紙を何枚も重ねて書き直した跡が残され、考証を繰り返した赤水の苦悩が見て取れる。
「測量器具 小象限儀・針・方位紙」 江戸時代後期 松浦史料博物館 所蔵
▲平戸藩が使用した測量器具。伊能忠敬と平戸藩主の交流から納められたもので、伊能忠敬測量隊の測量用具と同じ製作者が手掛けたものとみられている。
また、企画展の会期中は、同館が所蔵する「實測輿地圖(じっそくよちず)」(伊能小図)のレプリカを常設展示の第2章に展示する。本図は、伊能忠敬が製作した「大日本沿海輿地全図」(伊能小図)の副本とみられ、地図の製作工程でできた「針穴」や地図に押捺された「地図合印」を間近で見ることができる。
企画展の開催期間中、有料入館者全員に期間限定デザインのチケットホルダーを配布する。展示の見どころである、長久保赤水と伊能忠敬の地図製作工程の違いや目的の対比を表現して、2枚の地図を並べたデザインとなっている。
会 期 2024年1月13日(土) ~ 5月12日(日)
場 所 ゼンリンミュージアム 多目的展示室
開館時間 10:00~17:00(最終入館16:30)
休館日 月曜日(ただし祝日の場合は翌平日)※この他、年末年始等、臨時休館あり
入館料 一般1,000円(800円)
※通常の入館料で企画展も観覧可能
※保護者同伴の小学生以下は無料
※かっこ内は8名以上の団体および障害者とその同伴の方1名の料金
※団体料金は前日までに予約した場合にのみ適用
※入館料にはパンフレットおよびチケットホルダーの代金を含む