校務の効率化に向け主に校長会や事務職員などが中心になって学校導入が進んでいるものが学校徴収金サービスだ。
学校徴収金の徴収・管理は文部科学省によると「基本的には学校以外が担うべき業務」とされており、毎年実施している「学校の働き方改革のための取組状況調査」(2024年12月公表)では、学校徴収金については公会計化もしくは教員が関与しない方法で徴収・管理を行っている自治体が政令市で70%、市区町村で約46%であった。
学校徴収金サービスにも様々な製品がありそれぞれ特徴があるが、佐賀大学発のベンチャー企業であるSA-GAが開発、各種AI・システムソリューションの研究・開発・コンサル等を提供する木村情報技術が販売している学校徴収金サービスが「学校PAY」である。
本サービスは、開発者が佐賀大学の学生であった際に佐賀県内の小中学校の教職員の意見を基に、低コスト・事務効率化や保護者の利便性向上・簡単操作などを重視して開発に着手したもので、学校業務に特化し、操作しやすさを念頭に、かつ教職員、児童生徒、保護者、金融機関すべてが幸せになれるサービスであることを考慮。県内を中心に導入が始まり、現在全国の小中高等学校や専門学校に広がっている。
それまで現金で徴収していた佐賀県内の複数の市町(※)では、学校PAY導入後、各校で資金管理の運用や会計監査の方法を変更し、集金業務量が76.6%、事務業務量が56.6%削減できたという。(※)嬉野市、有田町、吉野ヶ里町、唐津市(一部)、武雄市
学校PAYの導入校の約半数が通帳を一本化。それまで20冊以上管理していた通帳が1冊になったとのことだ。
集金業務、事務業務全体を削減
学校PAYは集金代行・帳票自動作成・会計自動記録などを一貫して提供。銀行とのやりとりは学校PAYが代行するため、保護者は普段利用している口座を利用できる。コンビニ決済にも対応している。
請求データの作成・内容確認と送受信等は学校PAYにより自動化。未納金の案内の出力や保護者通知もサービス上で迅速に対応できる。
さらに、学校PAYを導入している学校同士であれば、学校PAY内のデータは共通して使うことが可能で、例えば小学校から中学校への進学時に、通常発生する徴収金に関する手続きが不要になる。
本システムではクラウド上に保護者の口座情報を保管せず、学校PAYと銀行との専用通信(全銀協標準プロトコル)を利用するため、インターネット経由で情報漏えいする危険がない。
2025年3月には保護者向けの機能をアップデート。保護者はWeb上で銀行口座の登録が可能になり利便性が向上した。
学校PAY導入の初期費用は無料。月額利用料・手数料により利用できる。
詳細:https://www.k-idea.jp/product/schoolpay/
学校PAYを提供する木村情報技術は文部科学省学校DX戦略アドバイザーを講師に招き、「教育現場の今と徴収金業務を変える学校PAY」をテーマにオンラインセミナーを開催する。
日時:5月31日(土)10時~11時
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年5月19日号