利用率の高い生成AIはChatGPTが52.1%で半数を超えるなどトップ、次いでMicrosoft Copilotの42.3%となる。ただし、満足度を100点満点で換算したところ、Notion AIの83.3ポイントが最も高く、次いでChatGPTの83.0ポイントとなることが、ICT総研が7月2日まとめた「法人向け生成AIサービス利用動向調査に関する調査」の結果から明らかととなった。
日本国内における生成AIサービスの法人利用を推計したところ、2023年末時点で24.7万社が何らかの形で生成AIサービスを業務に導入しており、2024年末には32.7万社、2025年末には41.3万社に達する見込み。さらに、2026年には50.1万社、2027年末には59.2万社にまで拡大すると予測しており、生成AIの定着が急速に進んでいる。
こうした導入の広がりの背景には、生成AI技術の進化に加え、多様な業務ニーズに応える柔軟性が高く評価されている点がある。導入のハードルが大きく低下していることから、今後は生成AIの利用が一部の先進的な活用にとどまらず、定着していくことが見込まれる。また、幅広い法人に導入が進むことで、生産性向上に寄与するインフラとしての役割も期待される。
生成AIサービスの利用について調査したところ、「業務で利用している」企業は15.0%、「トライアルで利用している」企業は9.4%で、あわせて24.4%が何らかの形で導入済。一方、「導入していないが、導入を検討している」との回答は7.4%にとどまる。これに対し、「導入予定はない」との回答は46.2%で半数近くとなり、生成AIの導入に対して慎重な姿勢がうかがえる。
アンケートによると、最も利用率が高い生成AIはChatGPT(OpenAI)で52.1%。次いで、Microsoft Copilotが42.3%、Google Gemini(旧Bard)が28.5%と続き、主要プラットフォーマーが提供する生成AIが高い浸透率を示した。そのほか、Claude(Anthropic)が13.1%、Apple Intelligenceが11.0%、Notion AIが7.7%、GitHub Copilotが7.6%と続いており、AI活用が徐々に広がっていることも読み取れる。また、CanvaやGrammarlyなど、既存ツールに搭載されたAI機能の利用も一部で行われている。
主な生成AIサービスの利用者満足度を100点満点換算の満足度ポイントとして集計したところ最も高かったのはNotion AIで83.3ポイントとなった。次いで、ChatGPT(OpenAI)が83.0ポイント、Apple Intelligenceが82.1ポイント、GitHub Copilotが81.3ポイント、Google Gemini(旧Bard)が80.9ポイント、Microsoft Copilotが80.5ポイントと続く。Claude(Anthropic)は77.3ポイントでやや下回ったものの、全体的に主要サービスは高い評価を得ている。全体平均は78.2ポイントで、生成AIサービスに対して一定以上の満足感を得ているという結果になった。
生成AIサービスの利用する端末環境で、最も多かったのはノートPC(Windows)で65.3%。次いでデスクトップPC(Windows)が36.8%。一方、スマートフォン(iPhone)は23.4%、Androidは17.6%と、モバイル端末からの利用もあり、Mac端末(15.8%)やタブレット(11.6%)の活用も確認された。仮想デスクトップ環境などからの利用は限定的であり、比較的汎用的なデバイスに集中していることが伺える。
【調査概要】
この調査は、インターネットユーザー4068人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析。アンケート実施日は2025年5月19日から5月31日。