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教育ICT

情報セキュリティに関する意識調査 知識の定着・アップデートに課題<渡邉光浩・南九州大学准教授>

2025年10月22日
デジタル学習基盤を学習に活かす

小学校教育や幼児教育に携わる教員養成に関わっている渡邉光浩准教授は2025年6月、「情報セキュリティに関する意識調査」を小・中・高等学校・特別支援学校等の学校教職員約1000人(※)を対象に実施。

それによると「セキュリティの知識を得ることは重要」と全員が考えている一方で、職種や教職経験年数、研修受講の有無にかかわらず、多くの項目で「セキュリティに関する知識の定着に課題が見られる」傾向が明らかになった。

渡邉准教授の調査の概要について聞いた。なお本調査の詳細はJAET大会の研究発表で報告される。

※校長、教頭・副校長、主幹教諭・主任教諭、教諭、講師・その他、養護教諭・栄養教諭

課題は最新知識の定着

渡邉光浩准教授 南九州大学

調査項目は9項目()。回答は選択式だが、正解がいくつあるのか不明の複数回答形式だ。その結果、最新のセキュリティ推奨事項を全項目で正解した回答者はいなかった。

特に「パスワード管理」、「端末持ち帰り」、「USBメモリ利用」、「個人情報取り扱い」の項目では、誤った回答が9割以上に見られ、職種や校種、経験年数にかかわらず高かった。

少数ではあるが極めてリスクの高い行動をする人も存在した。

具体的には、不審メール対応の際に「リンクをクリックして内容を確認する」や教育用端末や校務用PCにおいてUSBメモリ利用の際に「個人所有のUSBを使用する」、クラウド活用において「誰でもアクセス可能な設定にする」などを選択している人がいた。

これらは例え少数であっても甚大な被害を引き起こす可能性のある行為である。

※情報セキュリティの重要性/パスワード管理/パスワードを忘れた場合の対処/不審メールへの対応/フィッシングメールの知識/端末の持ち帰り/USBメモリの使用法/クラウドサービス利用/個人情報の取り扱い

知識のアップデートが必要

職種・職位別には特徴的な傾向がわずかに見られた。

「教頭・副校長」ではクラウド利用に関する誤答率が高く、「養護教諭・栄養教諭」で個人情報の取り扱いに関する誤答率が、「主幹教諭・主任教諭」では不審メール対応での誤答率が比較的高い傾向だ。

毎年研修を受講している層であっても誤答率は高い。研修が知識の定着に十分つながっていないことに加え、新たな情報に更新されていない、という可能性もある。

例えば「パスワードを定期的に変える」行為を正しいと8割が誤答している。

現在は、米国国立標準技術研究所(NIST)のガイドライン改定や、日本の総務省・内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の方針転換により、定期的に変えることは「覚えやすい簡単なものにしやすい」「変更のたびにメモが必要になり誤入力が増える」ことから、「強固なパスワードの設定」「サービスごとにパスワードを変更」「二要素認証の導入」などが推奨されている。

教材開発に反映

渡邉准教授は2024年度より「事例で学ぶ 学校情報セキュリティ」(広教)の開発にも携わっている。

「本調査により、教員はセキュリティに関する知識を更新していく必要があることが明らかになった。

広教の教材は毎年アップデートしているので、最新の情報を取り入れ、絶対に避けるべき危険行為を全ての人に届けることができるような教材にしたい」と話した。

詳細=教職員向け 情報セキュリティ研修教材「事例で学ぶ 学校情報セキュリティ」

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年10月20日号

関連:情報モラル教育は保護者を巻き込む 低学年に出前授業<八木澤史子・千葉大学教育学部助教>

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