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教育ICT

全小中学校にデジタルドリル 教員が柔軟に活用、意欲向上に効果~成田市教育委員会・千葉県

2025年10月21日
デジタル学習基盤を学びに活かす

GIGA端末としてiPadを、校務用端末として今年度3月全校にMacBookを導入予定の成田市教育委員会(千葉県)では2025年度より全小中学校に「タブドリLive!」(東京書籍)を導入した。小中学校での活用の様子を取材した。

進捗に合わせて問題を選択・配信 解説動画が分かりやすい

成田市立西中学校

1年社会の授業では冒頭、前時の復習として5問、生徒の情報端末に配信。生徒はすぐに取り組み、その場で採点。あっという間に全問正解した生徒、間違えた問題に再度取り組んでいる生徒もいる。

授業者の谷本教諭は「わからない問題は教科書を見ても良い」と声をかけ、生徒の提出状況を見て「公地公民」の誤字が多いことについて注意を促していた。

前時のふり返りで5問配信した

同校研究主任である谷本教諭は「現在は、前の時間のふり返りの際に問題を配信しており、課題が早く終わった生徒は自由に取り組んでいる。解説動画がわかりやすく質が高いと感じる。生徒も理解しやすいようだ」と話した。

特別支援学級では地理の授業を行っていた。こちらも授業の冒頭にタブドリLive!から地域の名前と場所を問う問題を配信。

生徒はインターネットや教科書で調べながら解いた後、それぞれの地域を担当して特産品を調べ、発表し合うことで地域の名前や場所についての理解を深めた。

授業の最後には再度、授業冒頭で取り組んだ問題に挑戦。数問間違った生徒も再度解き直して正解していた。休み時間に他教科のドリルに取り組む生徒もいた。

学習前後に同じ問題を配信。答え合わせの後に間違えた問題に再度挑戦できる

授業者の三浦教諭は「特別支援学級の授業では、生徒一人ひとりの状況が異なり、より柔軟に対応する必要がある中で、個別に問題を配信することができる点が使いやすい」と話した。

教員が柔軟に活用 当たり前を見直すきっかけに

成田市のGIGA推進委員会のメンバーでもある藤崎修治校長に、同校のデジタル教材活用について聞いた。

…・…・…

藤崎修治校長 成田市立西中学校

本校ではこれまでにデジタルドリルを複数導入・活用して試行錯誤し、より効果の高い活用を模索してきました。

タブドリLive!は今年度より導入し、数学や理科、社会では特によく利用されています。定期試験の範囲表にはタブドリLive!の該当箇所を全教科で記載しています。

本教材の良さは、教員が問題を選択して出題できるため柔軟に活用しやすい点です。

紙のドリルを利用していた際、教員は、進捗状況により内容を選択して印刷・配布していました。それと同様の活用ができます。

また、問題が精選されている点、子供がつまずいた際に参照できるコンテンツが豊富な点、わからない問題はとばして次の問題に取り組むことができる点、進捗管理が容易な点もメリットです。

製品によっては、間違えると同様の問題が繰り返し出て正解するまで次に進むことができないものもあります。生徒は様々なタイミングで学習しますので、わからないときに教員がすぐに支援できるわけではありません。

今年度の夏休みはタブドリLive!を生徒の端末に2回配信し、オンラインで個別に質問に対応するほか、夏休み中に行う学習会で、わからないところについて質問を受け付けることとしました。

これまで夏休み等の宿題では、大量の紙のドリルを夏休み終了後に集め、終わっていない生徒を集めて取り組ませてきました。問題をすべて解かせることに終始しがちで、本当に力がついたのかどうかについては疑問があり、デジタルドリルの導入はこれまでの当たり前を見直すよいきっかけになりました。

また、定期テストを前期と後期に行っていますが、その間にタブドリLive!で定着を図っています。短時間で取り組むことができ、3年の数学では毎時間のように行っているようです。

本市では毎年秋に、市全体で「標準学力調査CBT」(東京書籍)を実施しています。学力調査とデジタル教材が同じプラットフォームとなることで、上手く連携して評価や学力向上に役立てていきたいと考えています。

校長着任の年に学校教育目標を「前へ」とし、「誰一人取り残すことのない学校づくり」のため、目指すべき生徒像を見据えながらデジタル活用に取り組んでいますが、新しいものの良さを探すという意識の教員が多いと感じています。

新しいデジタル教材やツールが導入される度に「どう活用していけば子供達のためになるのか」を全職員で考えながら、「前へ」進むことを大事にしています。

意欲向上に効果 夏休みの課題も配信・進捗を把握

成田市立加良部小学校

51組の算数では34の公倍数と最小公倍数について学習した後、タブドリLive!で問題を配信。個人で取り組む児童、教え合う児童もみられる。

授業者の鈴木教諭は児童の進捗状況を確認しながら追加の問題を配信したり、間違いが多かった問題を提示して解説したりした。

間違いが多かった問題を解説した

鈴木教諭は「タブドリLive!は児童の意欲向上につながっている。課題を早く終えた児童に問題を配信でき、空き時間に『タシピタ』(計算問題のタイムアタック)にゲーム感覚で楽しみながら取り組む姿も見られる。

『みんなのLive!』では全国の児童と競いながら個別最適や、学習時期に合わせてつまずきがちな問題に取り組むこともでき、問題を解いて貯まったポイントでアバターを変身させて皆に自慢している児童もいる。教員から配信された問題はポイントが高いようで、問題の配信をせがまれる。

朝の学習タイムではテスト範囲に合わせてタブドリLive!の範囲も指定している」と話す。

若狭教頭

若狭教頭は「今年度から夏休みの課題をタブドリLive!で配信した。進捗状況が教員用端末からわかり、進んでいない児童に連絡できた。

秋の学力調査前には苦手分野に集中的に取り組む予定。

すぐに採点されてフィードバックもすぐに届くので児童も取り組みやすいようだ」と話した。

 

詳細=「タブドリLive!」(東京書籍)

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年10月20日号

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