株式会社マウスコンピューター 軣 秀樹代表取締役社長
2023年に創業30周年を迎えた、パソコンメーカーのマウスコンピューター。国内生産による高い品質は、多くの法人ユーザーから支持されている。昨年、代表取締役社長に就任した軣秀樹氏が語る〝Made in Japan〟へのこだわりとは――。
「なぜ国産にこだわるのか？」というのはよくいただく質問です。
当社の主力は、ご注文を受けてから生産するBTO（Build To Order）パソコンです。お客さまが欲しい構成をカスタマイズできるので、１台１台の中身が異なります。カスタマイズの幅広さと短納期の実現を考えたとき、国内生産が最も効率的な選択と考えています。
何より根底にあるのは「自分の目で見て触って、納得のいくものを、責任をもってお届けしたい」という思いです。万が一、製品に問題が起きた場合にも、国内に生産拠点があれば迅速かつ的確に対応できます。
1991年にキャリアをスタートして以来、私は開発から生産、品質管理、サービスまで一貫してものづくりの現場に携わってきました。2008年に当社の執行役員となった当時、最も重要な課題の一つが品質改善でした。
部品を供給するメーカーとの連携強化に注力し、例えば電源ユニットであれば、メーカーの工場へ私自身も足を運び、工場監査や電子・電気回路、使用部品の確認など設計・製造品質の改善を行ってきました。
この取組を地道に続け、10数年をかけて現在の安定した品質にたどり着きました。
コールセンターと修理拠点はそれぞれ国内に２拠点
当社ではアフターサービスの強化にも注力しています。
コールセンターは国内に２拠点を構え、顧客満足度を測る指標として受電率を掲げています。今年度は目標値の90％以上を毎月維持しており、これまでのサービス向上への取組の成果だと捉えています。
修理を担当するサービス拠点は、埼玉に加え、23年11月に広島サービスセンターを新設し、全国２拠点体制に移行しました。当社では修理納期「72時間」※という目標を掲げており、法人のお客さまにも迅速かつ質の高いアフターサービスを実感していただけます。※修理センターに製品到着から発送までの時間目標
当社では、ビジネス向けPCやゲーミングPC、クリエイター向けPCなど幅広いブランドを展開しています。今後さらに強化していきたい事業の一つが学校などの法人向けPCです。
最近は、行政のDX促進、企業の設備投資、STEAM教育分野など身近なビジネスや教育の現場でも当社のPCをご活用いただくことも増えています。
また、3DCGなど映像制作や製造業・建設業での設計、研究開発など高性能処理が求められる場面で活躍するハイエンドモデルも当社の得意分野です。
特に学校を始めとする法人向けでは、単に性能が高いだけでなく、いかに安定して利用できるかが重要。AI PCに関しても、単にハードウェアを提供するだけではなく、AIの性能を最大限に引き出す最適環境の構築が必要です。
業務効率や生産性の向上を図るツールとして、ビジネスの未来を切り拓くパートナーとして、マウスコンピューターは今後も成長を続けていきます。
