ヤマハは、快適な無線通信のための機能を強化した無線LANアクセスポイントの新モデルとして、Wi-Fi 6対応のデュアルバンドモデル「WLX322」と、Wi-Fi 6E対応のトライバンドモデル「WLX323」を2月に発売する。
両モデルとも、無線APの性能を損なわずに航空・気象レーダーの影響を回避する「Fast DFS v2」に対応し、チャンネル数の多い5GHzのW53/56を安心して利用できる。WLX322は最大170台、WLX323は最大270台の無線端末を収容可能。価格は、WLX322が9万3,500円、WLX323が11万5,500円となっている。
「WLX323」はWi-Fi 6Eに対応し、従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加えて、新たに6GHz帯の周波数を利用できる。6GHz帯は広い周波数帯域で、24chと多くのチャンネルを利用できるため、高速で安定した通信が可能。
さらに、他の機器との干渉回避のためのDFS(Dynamic Frequency Selection)機能の制約を受けないため通信の安定性が向上。これにより、電波干渉や混雑を回避した快適な通信を実現する。
「WLX323」は、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯を利用可能で、3つの無線LANモジュールを搭載したトライバンドに対応している。3つ目の無線LANモジュールは、5GHzと6GHzの2つの周波数帯から一つの周波数帯を選択することができる。
これにより、まずは対応端末数の多い5GHz帯を選択し、その後6GHz対応の無線端末の普及に合わせて、6GHzに切り替えるなど、設置環境に合わせて適切なタイミングで使用する周波数帯を選択することが可能。※6GHz帯を選択した場合でも、5GHz帯はもう一つの無線LANモジュールで利用することができる。
一般的な無線APは、5GHz帯で運用している際に航空・気象レーダー波を検出すると、DFS機能により、最大60秒間通信が切断される。この通信切断を回避する従来の「Fast DFS」では、その機能を利用するために片方の無線LANモジュールが占有され通信用に使用できず、無線APの最大端末接続台数の性能を活かしきれなかった。
今回新たに対応する「Fast DFS v2」では、その機能を利用するために無線LANモジュールを占有しないため、「WLX323」ではトライバンドの接続端末台数を最大限活用できる。また、「WLX322」ではデュアルバンドにもかかわらずDFSの影響を回避できるようになった。さらに、DFSの影響を避けるために使用可能なチャンネル数の少ないW52を使用していた場合でも、本機能により、多くのチャンネルを利用できるW53/W56を選択することが可能となり、安定かつ高速な通信を実現する。
「WLX323」は、2.4GHz帯で最大70台、5GHz帯(1)で最大100台、5GHz帯(2)/6GHz帯で最大100台、合計で最大270台の無線端末を収容。「WLX322」は、2.4GHz帯で最大70台、5GHz帯(1)で最大100台、合計で最大170台の無線端末を収容する。
また、5GHz帯において4本のアンテナを搭載し、複数の端末で同時に通信が可能なMU-MIMOに対応している。たとえば、2本のアンテナを搭載したMU-MIMO対応無線端末であれば、同時に2台の通信・処理が可能だ。
本機能は、移動した際など電波強度が弱いにも関わらず、遠くの無線APに接続し続けてローミングしない無線端末(スティッキー端末)に対し、近くの無線APへのローミングを促す。電波強度の弱い無線端末が無線APに接続していると、その無線端末に通信不具合が発生する恐れがあるだけでなく、同じ無線APに接続している他の無線端末のパフォーマンス低下にもつながる。本機能により適切にローミングを行うことで、無線LAN環境全体のパフォーマンスが改善され、快適な通信を維持することが可能となる。
さらに、ローミング時には電波強度などの環境情報をクラスター内の無線APに共有することで、ローミングを発生させるタイミングを学習し、設置環境に合わせて自動的に最適な無線設定へ調整する。
天井設置環境において適したアンテナの指向性に対応することで、広いエリアで強い電波を提供。これまでのモデルで天井設置した際に、強い電波が届きにくかった場所にも届くようになった。
天井設置だけでなく、付属のマウントパネルやスタンドを利用することで、壁や卓上にも設置することができる。また、動作環境50℃に対応しており、50℃高温動作時も通信速度等の性能が低下しない。学校や店舗、工場などの高温になりやすい場所でも安心して利用できる。