滋賀大学は3月12日、国内の大学に先駆けて、OpenAI社が提供するChatGPT Education (以下、「ChatGPT Edu」)を4月1日より導入すると発表した。同学は、今回の導入を契機に同社と協力して、学生の学習環境のさらなる向上を推進する。
竹村彰通学長は、「この連携はすべての大学にとってのマイルストーンとなり、今後の日本の大学教育や運営に大きな革新をもたらすだろう」とコメントしている。
日本初のデータサイエンス学部・研究科を設置した滋賀大学。同学はこれまで、生成AIに関する講義の実施、企業連携によるシステム開発における生成AIの適用、世界的な半導体メーカーとの連携による共同研究など、数多くの先進的なプロジェクトを推進している。また、教員向けの生成AI活用ワークショップも実施し、教育現場での生成AI技術の有効活用を促進している。
ChatGPT Eduは、最先端のAI技術を活用した教育支援ツール。個別指導や学習支援、研究サポート、大学運営などの教育現場での活動や生産性を高め、より効果的に支援することを目的としている。
同学は今回、大学院教育においてChatGPT Eduを導入することにより、実際に企業活動等で使用されている生成AI技術に学生の段階から触れる機会を提供し、実践的なスキルを身につけることができる質の高い教育環境を整備する。また、以下のような様々な活用を視野に取り組む。
同学では2022年度に全学DX推進計画を策定し、教育・研究DXに加えて業務DXにも取り組んでおり、大学運営改革として、事務職員の出退勤管理、給与明細および年末調整のオンライン化を実現している。また、学生対応改革としても、各種手続きのオンライン化を進めている。今回のChatGPT Eduの導入により、さらなる学生サービス向上や各種事務作業の縮減を進め、第4期中期計画に定めたデジタル・キャンパスの実現を一層加速化するとしている。
生成AIを用いて効果的に研究を実施する、論文の校正に生成AIを活用する、生成AIで授業を改善するなど、研究者が研究や教育活動をより効率的に進めることのできる環境の整備を進めるという。
また今後について同学は、国内外の教育機関や研究機関・企業・自治体等との連携を一層強化し、OpenAI社とともに社会へのデータサイエンス・AI技術の浸透を加速させるとしている。