山形県酒田市立琢成小学校で7月11日、全校児童160人と全国から集まる起業家・教育関係者160人が一堂に会する体験イベント「起業家への一歩を踏み出す日」が開催される。主催は、子供と社会をつなぐ学びを全国で展開する一社・まなびぱれっと。本イベントは、子供たちが“起業=問題を見つけ、解決すること” “やりたいことを形にすること”と捉え、自らのアイデアを実際に言葉にし、発信する機会となる。
酒田市立琢成小学校は、地域とのつながりを大切にしながら、子供たち一人ひとりの学びを丁寧に育む小規模校。地元の企業や商店街との交流を通じて、日々“地域で学び、地域で育つ”教育を実践している。
本イベントは、同校の創立50周年記念事業の一環。アントレプレナーシップ教育に取り組むことを検討し、起業家兼教育者としてのノウハウと学校現場での探究学習を組み合わせ、起業家への一歩を踏み出すきっかけとなることを目指す。その延長線上にあるのが「起業家精神(アントレプレナーシップ)を育む」ことをテーマとする今回のイベントだ。起業とは、ただ会社をつくることではなく、「目の前の困りごとを見つけ、それを自分なりの方法で解決する力」であり、その第一歩を、子供たちが自分の“好き”や“気づき”から踏み出す。
現代の子供たちの多くは、起業家と出会ったことがなく、起業について学ぶ機会も限られている。本イベントでは、教育関係者が“通訳者”のような立場で子供たちと関わり、起業家のリアルな体験を通して「起業」への理解と興味を深める。起業家の語る「なぜその道を選んだのか」「どんな壁にぶつかり、どう乗り越えたのか」といったエピソードが、子供たちの心にリアルな物語として届き、“自分にもできるかもしれない”と感じられるような機会を生む。
イベントの中で、子供たちは、地域の課題や自分の“好き”を出発点に起業アイデアを考え、子供たちならではの視点が新しい価値を生み出す。起業家たちは、自らの経験や失敗談も交えながら、子供たちの挑戦を全力で応援します。ただ正解を教えるのではなく、子供たちの問いやひらめきを受け止め、問い返し、ともに考えることで、子供たちの思考の深まりを支える。
全国から約160人の起業家・スタートアップ関係者・教育関係者が集結し、子供たちが「知る・考える・やってみる」一歩を踏み出す1日を共に創る。大人たちは一人の“応援者”として、子供たちの好奇心と行動力に寄り添い、学びの舞台を一緒に創り上げる。
主催するまなびぱれっとは、これまで、全国の学校や教育現場で「社会とつながる学び」「対話を通した自分らしいキャリアの芽生え」を育む取り組みを行っている。このイベントを通して、起業が“遠い世界の話”ではなく、「自分の身近にある選択肢」になることと、子供たちの原体験として心に残り、将来の挑戦の土台になることを願うとしている。