LINEヤフーは、企業活動によって社会に創出されるインパクト(社会的価値)を定量的に測定することで、社会課題解決への貢献度を可視化し、ステークホルダーへの情報開示とさらなる取り組みの推進を目的として、活用型情報モラル教材「GIGA ワークブック」のインパクト評価を初めて実施。このほど、その評価レポートを公開した。
GIGAワークブックは、子供たちの情報活用能力の育成を目的に、全国の自治体や教育機関などへ無償提供している教材。2026年10月現在、全国21都県・102市区町村に導入されている。
本評価では、教材の「リーチ(到達)」「エンゲージメント(活用)」「アウトカム(成果)」を三層構造で整理し、教材の導入状況だけでなく、学校現場での実際の活用や児童生徒の学習行動との関連までを分析。その結果、教員による教材活用と、児童生徒の「自分で調べる」「生成AIを使う」といった学習行動との間に統計的に有意な正の関連が確認され、全国規模ではそれぞれ約20.5万人相当、約49.2万人相当と参考試算した。さらに、教員間の情報共有や評判と、教材の効果実感・利用頻度との関連にも着目し、教材の普及・活用の仕組みについて分析している。

2026年10月現在、全国21都県・102市区町村に導入されているGIGAワークブックについて、初めてインパクト評価を実施した。教材の普及状況を示す「リーチ(到達)」、教員による実際の利用・評価を示す「エンゲージメント(活用)」、児童生徒の学習行動との関連を捉える「アウトカム(成果)」の三層構造で整理した。教材の導入規模だけでなく、学校現場での活用状況や学習行動との関連までを一連の過程として捉え、その構造を図解している。

9自治体・小中学校38校の教員・管理職・児童生徒を対象に調査を実施した。
教員と児童生徒の回答を学校・学年単位で対応付けて分析した結果、教員によるGIGAワークブックの活用と、児童生徒の「自分で調べる」「生成AIを使う」という学習行動との間に、統計的に有意な正の関連が確認された。さらに、導入規模や教員利用率などを用いて全国規模に換算し、以下の参考試算値を算出した。
※これらは一定の仮定に基づく参考試算であり、実際に行動の改善を確認した児童生徒数や、教材利用による因果効果を示すものではない。


教員間で教材の活用方法を共有・相談することと、教員による効果実感との間に統計的に有意な正の関連が確認された。また、校内外の教員の評判を利用理由に挙げたことと、教材の利用頻度との間にも正の関連が見られた。
これらの結果から、教員間の情報共有や口コミが教材の普及・活用に関わる可能性に着目し、「社会的拡散モデル」という仮説として整理・図解している。


LINEヤフーは、本評価で得られた知見や評価の枠組みは、GIGAワークブックに限らず、他の教育教材の普及促進や活用支援のあり方を検討する際にも応用できる可能性があると指摘している。
今回の評価では、GIGAワークブックを利用した教員から、推奨度65.5点、効果指数61.7点(いずれも100点満点換算)と一定の評価が得られた。一方、教材のさらなる活用促進に向けた課題も明らかになった。今後は、教員間の情報共有や評判と教材活用との関連に着目した「社会的拡散モデル」の仮説を踏まえ、教員同士が活用方法や成果を共有できる環境づくりを進め、教材の利用の広がりを促していくことを目指すとしている。

<調査概要>
調査対象:9自治体・小中学校38校の教員、管理職、児童生徒
有効回答数:教員354人、管理職45人、児童生徒3,088人
調査時期:2025年10月~2026年2月
調査・分析:多摩大学情報社会学研究所
調査委託先:株式会社マクロミル(教員・管理職調査)
▶︎公開レポート(PDF)