(公財)日本数学検定協会は、データサイエンスの基盤となる数学スキルを認定する新資格「データサイエンス数学ストラテジスト」のIBT形式の申込受付および試験を9月21日(火)から開始する。それに先立ち、本資格の特設サイトを9月3日(金)に開設した。
■需要が高まる数学的スキル・リテラシー
近年、国や経済団体から価値ある新しいものを創造する基盤として「数学」を重要視する報告書等が相次いで公表された。また、高等学校や大学などにおける数理・データサイエンス・AI教育の充実が提案されている。こうした背景があるなか、日本数学検定協会はデータサイエンス戦略において必要とされる数学的スキル・リテラシーの理解度・習熟度を測定し認定する「データサイエンス数学ストラテジスト」の資格制度の新設を決定した。
■データサイエンス数学に関する知識とコンサルティング力を測定
「データサイエンス数学ストラテジスト」資格は、基礎的な数学と実践的な数学を合わせて体系化したデータサイエンス数学に関する知識と、それを活用できるコンサルティング力を兼ね備えた人を認定するもので、中級と上級の2つの階級がある。また資格試験は、5肢択一のIBT形式で行われる。
■情報・データサイエンス・AI系学部への進学に活用できる
「データサイエンス数学ストラテジスト」のメリットとして、数理・データサイエンス・AI人材としての素養があることをアピールでき就職先の幅が広がることや、情報・データサイエンス・AI系学部への進学に活用できることが挙げられる。
■個人受験と団体受験が可能
「データサイエンス数学ストラテジスト」は個人受験または団体受験の2種類がある。個人受験は「CBT-Solutions」「アガルートアカデミー」のいずれかの外部サービスから申し込み、受験が可能。団体受験は学校などで一括申し込みを行って受験する。日本数学検定協会では団体ごとに合わせたプランを提案している。
<個人受験の流れ>
①申し込み手続き
「CBT-Solutions」または「アガルートアカデミー」の受験申込サイトにアクセスして、「データサイエンス数学ストラテジスト」資格試験の申し込み手続きを行う。
②受験
試験有効期限までに、資格試験を受験する。
③結果
試験終了後、合否結果が画面上に表示される。「合格」「不合格」のほか、総得点、評価コメントなどが試験結果として表示される。
④オープンバッジの発行
各階級の認定基準に到達した人にはオープンバッジが発行される。
<学習方法>
「データサイエンス数学ストラテジスト」の学習方法には、「e-ラーニング講座」と「公式問題集」の2種類がある。
【e-ラーニング講座】
オンライン資格予備校「アガルートアカデミー」が運営している「データサイエンス数学ストラテジスト」の試験内容に準拠したe-ラーニング講座。中級コースと上級コースがあり、それぞれ単元ごとに学習することが可能。
【公式問題集】
「データサイエンス数学ストラテジスト」の試験問題を解く力、考え方を身につけるための公式問題集。それぞれ中級・上級相当の本試験2回分の問題を掲載している。
<試験内容>
「データサイエンス数学ストラテジスト」の資格試験は4つの学習分野で構成される。
【学習分野①】AI・データサイエンスを支える計算能力と数学的理論の理解
・確率統計系分野(統計・確率・場合の数など)
・線形代数系分野(行列・ベクトルなど)
・微分積分系分野(微積分・関数・写像など)
【学習分野②】機械学習・深層学習の数学的理論の理解
・基礎理論(活性化関数・類似度・最小二乗法)
・機械学習(回帰・分類・クラスタリングなど)
・深層学習(ニューラルネットワークなど)
【学習分野③】アルゴリズム・プログラミングに必要な数学リテラシー
・アルゴリズム(探索・ソート・暗号、計算量)
・プログラミング言語に依存しない手続き型思考
・数学的課題解決(論理的思考+数学的発想)
【学習分野④】ビジネスにおいて数学技能を活用する能力
・把握力(データ・グラフの特徴の把握など)
・分析力(売上・損益等財務的な分析など)
・予測力(データに基づいた業績予測など)
<問題配分> ※()は中級
学習分野① AI・データサイエンスを支える計算能力と数学的理論の理解:50%
学習分野② 機械学習・深層学習の数学的理論の理解:25%(16.7%)
学習分野③ アルゴリズム・プログラミングに必要な数学リテラシー:12.5%(16.7%)
学習分野④ ビジネスにおいて数学技能を活用する能力:12.5% (16.7%)
<受験の際に用意する物>
試験はインターネット上で行われるが受験の際には必要に応じて以下の物を用意。
・筆記用具
・計算用紙
・電卓または関数電卓
・表計算ソフト(必要に応じて)