2021年度文部科学省補正予算(案)が閣議決定された。合計額は1兆5487億円。『新型コロナウイルス感染症の拡大防止』『「ウィズコロナ」下での社会経済活動再開と次なる危機への備え』『未来を切り拓く「新しい資本主義」の起動』『防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保』などに計上された。
■消毒液やマスクなど保健衛生用品の購入に支援
学校などの感染症対策支援には305億円を計上。第6波への万全の備えも見据え、各学校において感染リスクを低減させながら、子供の健やかな学びを保障する。教育活動を継続するために必要となる保健衛生用品の整備などには254億円を計上。消毒液、不織布マスク、CO2モニターなどの購入経費が補助対象となる。
■オンラインによる教員研修や保育参観など幼稚園のICT環境を整備
幼稚園の感染症対策等支援・ICT環境整備支援・教育体制支援には73億円を計上。幼稚園において、新型コロナウイルス感染症対策の徹底を図りながら、ポストコロナを見据え、幼児を健やかに育むことの出来る環境の整備を推進する。幼稚園のICT環境整備支援には13億円(1園あたり100万円)を計上。オンラインによる教員研修や保育参観、保育動画の配信やアプリを利用した家庭との連絡など、ポストコロナを見据えたICT環境整備を支援する。
■50万人以上の受験生が安心して大学入学共通テストを受けられるように
全国一斉同一期日で50万人以上が受験する大学入学共通テストにおける感染症対策等には1億円を計上。受験生が安心して試験に臨めるよう、無症状の濃厚接触者に対しては別室受験で対応。また、緊急対応用問題を作成し、受験機会の確実な確保につとめる。
■厳しい状況にある学生等の学びを継続するため10万円を給付
学生等の学びを継続するための緊急給付金には675億円を計上。2020年度と比較して、2021年度はコロナを理由とした中退者数や休学者数が増えていることから対策を講じていく。新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある学生約67万人に対して、学びを継続するため、現金10万円を支給する。
■魅力的なコンテンツとしてスポーツイベントの開催を支援
全国規模のスポーツイベント等の開催支援事業には51億円を計上。消毒液や検温に必要な機器等の購入、感染防止に向けたポスター・チラシの作成など、試合開催時における感染症対策の徹底を図る。また、リモート観戦時等における臨場感のある放送・配信用コンテンツの提供など、コロナ禍でも従来と同等以上にスポーツを楽しむためのデジタル技術等を用いた取組を支援する。
■ウィズコロナ下で障害者がスポーツに取り組める環境を整備
ウィズコロナ下での障害者がスポーツに取り組める環境の整備には24億円を計上。スポーツ施設等に対する障害者スポーツ用具の整備・導入及び障害者に対するスポーツの機会の創出に係る事業の支援を実施。また、都道府県や市区町村が所有する体育・スポーツ施設を対象に社会体育施設の新改築や空調設備などの環境整備を行う。
■博物館や劇場など文化施設の活動継続に向けて
文化施設の活動継続・発展等支援事業には24億円を計上。博物館や劇場・音楽堂等の文化施設に対して、活動の継続・発展を促すため、ウィズコロナを見据えた活動再開・再生に向けた取組を支援する。赤外線カメラ、空気清浄機、ICTを活用した感染対策等に係る経費などにあてられる。
