関東5県(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県)の公立中学校の修学旅行・連合体輸送が今年度も開始された。関東地区公立中学校修学旅行委員会(略称：関修委、事務局：公益財団全国修学旅行研究協会)は旅の安全を願い、2024年度修学旅行出発式を5月8日(水)、東京駅東海道新幹線出発ホームで開催。関西方面への修学旅行の第一便となる各校の代表の生徒からJR東海関係者らに感謝の思いを込めて花束が贈呈された。
代表生徒がJR東海関係者らに花束を贈呈
第一便として関西方面の修学旅行に出発したのは、さいたま市立土合中学校、上尾市立瓦葦中学校、深谷市立岡部中学校、久喜市立栗橋東中学校、久喜市立鷲宮西中学校、入間市立金子中学校、神川町立神川中学校の埼玉県7校の中学校の生徒1100人。生徒らは7時51分発の修学旅行専用列車「のぞみ301号」に乗車し、関西方面へと出発した。出発式ではJR東海関係者から各校に記念品が贈られた。
修学旅行専用列車に乗り込む生徒ら
生徒を代表して、さいたま市立土合中学校の村野仁香さんが挨拶に立ち、「私たちは今日から待ちに待った修学旅行で京都・奈良へと出発します。これからの3日間、いままで取り組んできたことを活かしながら京都・奈良での大きな体験を学びにつなげ、仲間とともに最高の思い出を作りたいと思います。今回の修学旅行を行うために協力いただいた多くの人に感謝するとともに、この気持ちを忘れず充実した修学旅行にしたいと思います」と元気よくメッセージを伝えた。
生徒代表の村野さんのあいさつ
JR東海を代表して東京駅長の和知勝之氏が挨拶に立ち、「東海道新幹線は10月1日に開業60周年を迎えます。開業時は1時間に「ひかり」1本、「こだま」1本の計2本の運転でしたが、現在は「のぞみ」12本、「ひかり」2本、「こだま」3本の計17本の運転となりました。速度も開業当時は時速220kmでしたが、現在は時速285kmまで出すことができます。私も中学や高校の頃、東京駅から修学旅行に出発しました。みなさんも新幹線の車内で快適過ごし、修学旅行を通じて一生の思い出を作っていただければと思います」と生徒たちを送り出した。
生徒を送り出すJR東海 東京駅長の和知氏
修学旅行出発式では関東地区公立中学校修学旅行委員会の運営委員である長井勝利氏(埼玉県宮代町立前原中学校長)は「3年間の長きにわたるコロナ禍など修学旅行は幾多の困難に直面してきましたが、そのたびに多くの人の努力と協力を得て困難を乗り越えてきました。正に修学旅行は学校だけでは無しえない多くの関係者の協力があって初めて実戦できる学校行事だと確認しました。修学旅行を取り巻く環境は旅費高騰やオーバーツーリズムなど新たな課題を抱えつつありますが、関修委ではすべての学校が安全で、生徒にとって充実した修学旅行となるよう引き続き努力していきます。みなさんの修学旅行が歴史、伝統、文化を学ぶとともに、人々との出会いや仲間との絆を深めるなど豊かな体験となることを願っています」と言葉を送った。
(公財) 全国修学旅行研究協会の岩瀬正司理事長は「みなさんは、これから2泊3日の修学旅行を迎えます。3年間、約1000日の中学校生活の中の2泊3日ですが、みなさんにとって一瞬にして永遠の2泊3日になると思います。新型コロナで修学旅行に行けなかった先輩たちの分も含めて、さまざまなことを学んできてください。明るく、元気で、楽しい2泊3日にして、お金では買えない素晴らしいものを手に入れてください」と生徒らを送り出した。
関東地区公立中学校修学旅行委員会によると2025年度は茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉の5県で関西方面へは722校・10万3216人、その他の方面(北海道、東北、長野、北陸)へは26校・4401人の合計748校・10万7617人が修学旅行列車を利用して計画輸送を実施する。
