早稲田大学スポーツ科学学術院の細川由梨准教授と、新潟大学人文社会科学系の天野達郎准教授らの研究グループは、ヒトの体温調節機能として重要な汗について、小学生や中学生が理解しやすいように解説した動画「汗のやくわり」を制作し、2023年に匹敵するような猛暑の予想がある夏本番を目前としたこの春に公開した。本研究グループは、学校の子供たち(小学校~中学校)が自ら考え行動して、熱中症の予防をできるような新しい教育構築を目標として研究を進めている。
動画「汗のやくわり」は、2021年度に本研究グループが作成した動画「からだと水分」に続く、第二弾となる作品。子供自身が、自分の身体の状態を的確に認識し、主体的に身を守る行動を考え、熱中症を自発的に予防する実践力を身に着けるために、体温調節機能(行動によって熱中症を回避する能力と、発汗などの生理機能によって熱中症を回避する機能)への理解を深めることを目的に制作している。
本格的な夏を迎える前に、熱中症予防教育の一環として、学校などの教育現場や家庭などで本動画を広く大人も子供も一緒に視聴することで、日常的な身体運動の重要性を多くの人が認識し、熱中症から身を守ることが出来るようになることを目指している。