山形県では、高等学校DX加速化推進事業（DXハイスクール）の域内横断的な取り組みが6月より始まっている。県から委託を受けたデジタルハリウッドが企画・運営業務を担当。今年度、高等学校等におけるDX加速化推進にむけた域内横断的な取組事業は47都道府県が実施することになっている中、山形県の本事業は全国的に早い始動となっており、他の自治体や教育機関にとってもDX推進のモデルケースとなることが期待される。
本事業は、DXハイスクールにおいて、山形県が公立及び私立の高等学校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部を対象に、デジタル等成長分野を支える人材育成の充実を図ることを目的としている。山形県の採択校は、県立高校17校、市立高校1校、私立高校3校。事業として5つの内容が含まれる。
① 情報Ⅱ又は数理・データサイエンス・AIの活用を前提とした実践的な学校設定教科・科目もしくは総合的な探究の時間、又は情報Ⅱの内容を含むことにより指導内容を充実させた職業系の教科・科目等を担当する教員の指導力・専門性の向上のため、同社と連携したカリキュラムや指導法、評価法等に関する教員研修を実施
② 山形県のDXハイスクール採択校における本事業の成果普及、充実のため、採択校の教員等を対象に取組事例の横展開、課題の共有、同社の専門人材を交えた課題解決に向けた協議等の取組事例発表会・研究協議会の実施
③ 山形県の高等学校等の在籍生徒を対象に学習段階に応じ、生徒の興味関心を引き出すよう、同社と連携した実践型（課題解決アイデアの創出からプロダクト開発までを一気通貫に学べる内容）のデジタル人材育成講座、デジタルを活用した課外活動等の実施
④ 山形県の高等学校等の在籍生徒を対象に、コンテスト等の取組成果発表会の実施、取組成果発表会における同社の専門人材等からの助言の実施
⑤ 山形県の採択校における取組状況の進捗把握を、各採択校2回のオンライン面談や質疑応答が可能なコミュニケーションツール等を活用することで行い、高等学校の情報教育等に知見を有する同社の専門人材等から指導・助言の実施
本事業におけるデジタルハリウッドの具体的な提供内容は次のとおり。
同社の専門人材を研修講師として、「Python、JavaScript等を使ったプログラミング」「ビッグデータ、生成AI等を活用した課題解決体験」「デジタル倫理とプライバシー教育」「ネットワークセキュリティの基礎」「デジタルコンテンツ制作」「3Dプリンター活用、デジタルものづくり」「メタバース活用」といったテーマの研修を全10回提供する。
採択校21校の取組事例や課題を共有する会を開催。採択校同士のディスカッション、同社の専門人材等による指導・助言を行う。
デジタルハリウッドが運営する、エンジニアと起業の学校「G’s」が、高校生を対象とした集中プログラミングキャンプ「G’s YOUTH CAMP YAMAGATA」を開催する。この講座は、8/7～8/8の2日間の講義と、④のコンテストを通じて、プログラミングを覚えるだけではなく、「課題解決力」「企画力」「プレゼン力」など多くのスキルに触れる体験を提供。2日間の講義は、社会人向けに使用している内容を高校生向けにアレンジした教材、カリキュラムを用いて、基礎的な内容を習得した後は個々でアプリを制作する。また、その制作の過程を講師やチューターがサポートする。自分から主体的に学び、自分の頭で問題を解く経験を目的としている。
③の生徒向け実践型講座に参加した生徒の制作物を中心に成果発表会と表彰する。同社専門人材等の有識者からフィードバックを受けられる、生徒にとってのハレの舞台。
採択校21校に対して、高校向けサポートに実績を持つ同社スタッフや専門人材が面談等を通じて伴走支援を行う。
同社が開発している情報ⅠⅡ等に資するeラーニングプログラムを希望教員に提供する。Pythonプログラミング、JavaScriptプログラミング、動画制作、グラフィックデザイン等のプログラムが含まれる。
