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カフェイン摂取で100m走のタイムが短縮~立命館大学の学生らが研究成果を発表

2022年12月6日

立命館大学スポーツ健康科学部の橋本健志教授ならびに、同・大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程1回生の松村哲平さんらの研究チームは、体重1kgあたり6mgのカフェインを摂取することで陸上競技の100m走の疾走タイムが短縮することを世界で初めて明らかにした。


■研究成果がアメリカスポーツ医学会の季刊雑誌に掲載

これまでカフェインには様々な運動パフォーマンスを一時的に向上させる効果があるとされてきたが、実験により100m走にも有効性があることが実証された。この研究成果は松村さんの卒業論文としてまとめられ、アメリカスポーツ医学会の季刊雑誌「MedicineScience in SportsExercise」に掲載された。

 


■多くのアスリートが競技前にカフェインを摂取

松村さんは100m走におけるカフェインの急性効果についてフィールドテストを実施。コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインだが2004年からはドーピングとしての禁止リストから除外されている。そのため多くのアスリートが摂取している。その理由としてカフェインを摂取することで一時的に筋力や筋持久力などを向上させるなど、運動パフォーマンスを増加させることが挙げられる。

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■短距離走におけるカフェインの急性効果を確認

国際陸上競技連盟(現・世界陸連)では、2019年に短距離走へのカフェインの効果を示唆しているが、短距離走おけるカフェインの急性効果は直接的に立証されていなかった。100m走の場合、スタート直後に疾走速度が急速に上がる加速局面を迎え、レース中盤で最高疾走速度局面に達する。その後、やや減速しながらゴールを迎える速度逓減局面となるが、それぞれの局面でカフェインが、どのように作用するかを確認した。

 


■男子短距離走選手13人の記録を計測

カフェインを摂取することで跳躍高が向上することや、60mまでの疾走パフォーマンスと跳躍高に関連性があることは、すでに実証されている。そこで松村さんは60mまでの疾走タイムが短縮することで100m全体の疾走パフォーマンスが向上すると仮説を立てた。そこで、立命館大学の男子短距離走選手13人が被験者となり、体重1kgあたり6mgのカフェインを摂取して100m走に臨んだ。

 


■思い込みによる影響を防ぐためカフェインとプラセボを摂取

また、カフェインを摂取したという思い込みが実験結果に影響を与えることを防ぐため、カフェインが入ったカプセルと効果を持たないプラセボのカプセルの2回のタイムトライアルを実施。2つのカプセルは見た目や味では判別ができないようにして、1週間あけて2回のタイムトライアルが行われた。

 


■カフェイン摂取により100m走が0.14秒も短縮

100m走の測定はレーザー変位計を用いて、被験者にレーザーを照射し、反射する時間から距離を算出した。これにより疾走速度を記録し、風力、気圧、気温など環境要因を補正した上で改めて疾走タイムを導き出した。その結果、プラセボを摂取した100m走の平均タイムは1140なのに対し、カフェインを摂取した平均タイムは1126とカフェインを摂取することで0.14秒も短縮された。また、10mごとの平均疾走速度を計測した場合、最初の20mまでの区間において平均疾走速度が増加していることから、カフェインは加速局面の初期段階で作用していると思われる。

 


■少ない量でのパフォーマンスの変化なども検討

今回、摂取したカフェインはコーヒー4杯分程度にあたり、これ以上のカフェインの摂取は副作用の恐れがあり、運動パフォーマンスの向上も見られない。また、今回の実験で用いたカフェインの摂取量よりも少ない場合のパフォーマンスの変化も検討の余地があるとされる。「カフェインを摂取してから競技に臨む選手は多いが、今回の実験で100m走でも効果があるという根拠を示すことができた。カフェインについては過剰に摂取するのではなく、運動パフォーマンスを高める一助としてほしい」と松村さんは語る。

 

立命館大学

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