IT産業が高度化する中、日本ではIT人材不足が深刻化している。経済産業省の推計によると、2030年に79万人ものIT人材が不足するとされている。このような状況をうけ、長崎県公立大学とJR西日本光ネットワーク(JRWON)は、不足するIT人材の育成を目的として「IT人材の育成に向けた連携」を10月より開始した。
長崎県立大岡田研究室(岡田雅之教授)では、IT人材の育成には、実社会で利用されるネットワークに触れること、またそこで働く人達とのかかわりを深めることが重要と考え、IT企業等と連携したプロジェクト型学習や企業インターンシップなど、実践的な教育を行っている。
JRWONは、その取り組みに賛同し、今回、JR西日本が保有する山陽新幹線および西日本エリアの在来線の延線に整備された高い品質、信頼性を持つ光ファイバーを活用した回線を提供するとともに、長崎県立大と連携してIT人材の育成に取り組むこととした。
この回線の活用第一弾として、学生が主体となり2023年11月開催の「CEDEC+KYUSHU 2023」へのネットワーク提供を実施する。この経験をはじめとして、学生に様々な関心、知見を深めてもらう教育・実習を行うことにより、即戦力となるIT人材の育成に取組む。
なお、本共同研究の取り組みでは、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち、教育と強靭なインフラ構築にも貢献できるものとして進めていくという。