無線通信機器大手のアイコムは、全国の中学校向けに「無線機を使った防災訓練の教育プログラム」を開発。中学教員向けの教材で、免許や資格がなくても交信できるトランシーバー20台をセットにして各校に無償貸与すると発表した。
3月に桃山学院中学校(大阪市阿倍野区)で教材を活用したデモ授業を実施する予定で、本デモ授業を皮切りに全国の学校への無償貸与を実施するという。
教材は学校からの依頼に応じて一式を配送で貸し出す。提供依頼は、同社Webサイトに設けた特設ページで受け付けている。

教材の内容は災害時を想定しており、生徒は避難者を探す役や食料を確保する役に分かれてロールプレイング形式で、トランシーバーを使ったコミュニケーション方法を学ぶ。教材には、教員用の指導マニュアルや生徒用のワークシートなど授業に必要なツール一式を同梱。スマートフォンではなくなぜトランシーバーが災害時に有用なのかの解説やそもそもの機器の使い方を説明する動画も用意されている。
教材の開発にあたり、中学校の教諭ら教育従事者に事前ヒアリングしたところ、現場のニーズは非常に高いことが分かった。「1コマの授業で訓練できる内容にしてほしい」といった要望を踏まえて内容を勘案している。
「防災教育プログラム」は、無線機の解説動画の視聴(9分)から始まり、ロールプレイング形式の防災訓練(20-30分)と訓練後のレビュー(5分)を行う3部構成。教員は1コマ(50分間)で終えることができる。
防災訓練中の生徒の連絡手段は、チームごとに4台配布されるトランシーバー。教員も1台持ち、ルール説明などの進行役を担う。
プログラムは最大40人程度が参加可能。生徒たちに課されたミッションは、「避難者の人数や年齢を把握して安全な場所に誘導し、食料を必要分確保すること」。そのミッションを完遂するために生徒たちは、避難者を発見するチームと、避難者に必要な食事の情報を集めるチーム、非常食を見つけるチーム、全体に指示をする作戦本部チームの4チームに分かれる。各チームには、「話し方の例」や「必要な情報を記載するメモ欄」が書かれたワークシートを配布する。
その後、教員があらかじめ校舎内に置いておいたA4サイズのカードを探しに、生徒は教室を退出。カードには任務完遂に必要な情報が、チームごとに記載されている。
カードを見つけると、生徒同士は「こちらAチームです。1階の廊下で大人5人の<避難者カード>を見つけました。大人5人です」「こちらBチームです。スタート地点の教室でパン30個の<非常食カード>を発見。30個です」「こちら本部です。Aチームは、教室に戻ってください。教室です」といった具合に、連携をとる。
終了後は、参加者全員でレビューを行う。「もし無線機がなかったどうなっていたか?」「無線機のどんな特徴が役に立ったか?」など、教員が質問を投げかける。生徒に振り返りの場を与えることで、学習内容の定着を図る。
◆詳細・提供依頼はこちらの特設ページから