カクタス・コミュニケーションズは、英文校正・翻訳および投稿規定上の誤りをチェックするAI英文校正・翻訳ツール「Paperpal」の有効性検証のため、東京大学 新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 岩崎研究室において製品モニター調査を実施した。
その結果、同研究室の学生9人中7人が、論文執筆の校正にかかる作業時間を30%以上削減できていたことが明らかとなった。
Paperpalは全世界で利用者40万人を突破(2023年9月時点)した高品質の学術的英文校正・翻訳ツール。使われるAIは、350万稿以上の出版された論文の校正前後の比較学習に加え、トップジャーナル(主要な学術誌)の要求を満たすために熟練の学術エディターが編集した原稿をもとに設計されている。本ツールを利用することで、言語や投稿規程における一般的な誤りや抜け漏れをチェックでき、英論文の質を高めることができる。
研究室メンバーに、英論文執筆の際に、苦労していることを聞いたところ、過半数を超えるメンバーで「ニュアンスが伝わらない」「読み手に効果的に伝えるための語彙力が少ない」「所要時間がかかりすぎてしまう」といった点が大きな課題になっていることが確認できた。
一方で、苦労していることはないという回答は得られなかった。研究メンバーにおいて、英論文執筆で研究の成果を思い通りにアウトプットすることは難しいということが感じられる結果となった。
研究室メンバーに、過去に自身で校正した場合と、今回Paperpalを使用して校正を行った場合とを比べて、作業時間に変化があったかを聞いたところ、9人中8人が「少し減った」と回答した。
続いて、Paperpalの使用有無による所要時間の削減率について聞いたところ、9人中7人が30%以上削減したと答えた。
さらに、Paperpal使用有無による所要時間が「少し減った」回答者に、削減した分の時間を何に当てたかを聞いたところ、半数を超える5人は削減した分の時間を「研究関連の作業」に当てたと答えた。
上記の結果から、AI英文校正・翻訳ツールを利用することで9人中8人が20%以上の研究メンバーが論文執筆の校正に要する時間を削減し、同7人が研究・論文にかかる作業の効率を高めるアクションを採ったことを確認できた。
今回、AI英文校正・翻訳ツールPaperpalを使って論文執筆を行った感想を聞いたところ、校正を時短できると思う(そう思う、どちらかと言えばそう思う)と回答したのが、9人中8人だった。また論文執筆のハードルが下がると思う(そう思う、どちらかと言えばそう思う)と回答したのが、同じく7人だった。
いずれの設問においてもそうは思わない(校正を時短できると思わない、論文執筆のハードルが下がらない)という回答が得られなかったことから、不慣れなツールのデメリットを感じることなく、AIツールの活用メリットを享受したことが確認できた。
今回、岩崎研究室メンバーにPaperpalのモニター調査に協力してもらったところ、論文執筆における文法ミスは減り、文言の修正にかかる時間が短縮していることが確認できました。アカデミア領域におけるAIツール活用は、ビジネスシーンに比べるとまだ遅れを取る部分があると思います。PaperpalのようなAIツールを活用しながら、今後も生産性高くより良いアウトプットを多く輩出していきたいと思っています。
調査結果を受け、同社の湯浅誠代表取締役は、「AI英文校正ツールが論文執筆におけるハンディキャップをどの程度埋められるのか、一つのマイルストーンになった」と述べ、今後もAIツールを通じた研究者の生産性向上に貢献するとしている。
東京大学 新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 岩崎研究室