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総合型選抜で重視する力は「研究力」大学教授等への調査から〜日本進学教育研究所

2025年6月21日

総合型(旧AO入試)や推薦入試の対策専門予備校「SS義塾」を運営する日本進学教育研究所は6月17日、全国の大学教授等612人を対象にした統計調査の結果を公表した。

調査の結果、総合型(旧AO入試)/推薦入試で最も重視されるのは「研究力」「大学での先取り学習」であり、94.6%がこれを“最重要”と回答した。一方で、「英検」「評定」「課外活動」などの従来型の指標は、ほとんど評価されていないという実態も明らかとなった。さらに、総合型(旧AO入試)/推薦入試の対策においては「高校教員の支援はほぼ機能していない」とする声が99%を占め、「専門対策を行う学習塾や予備校の活用」や「生成AI(ChatGPT)の導入」が推奨される流れが加速していることも分かった。

■合否において研究力が肝要 夢や志より”問いの深さ”

94.6%の国公立/私立大学所属の教授らが「大学の勉強の先取り」や「研究力」が重視されると回答。受験生個人の夢や志、受験生自身のボランティア等の活動歴よりも“問い”と“構造”がすべてを決するという。

記述式の回答からは次のような声が聞かれた。

  • 「“研究者としての萌芽”がなければ評価できません」(私立・59歳・女性)
  • 「志望動機の深度ではなく、問いの構造で判断します」(国公立・50歳・女性)
  • 「感情ではなく仮説を語る子に惹かれます」(私立・47歳・女性)
  • 「志や活動より、問いを持って実験しているかを見ます」(私立・53歳・男性)
  • 「研究テーマの言語化こそが総合型の本質です」(国公立・58歳・女性)

また、98.8%の国公立/私立大学所属の教授らが「高校教員は受験対策に役立たない」と回答。受験への制度理解・添削指導の実力・戦略構築において不十分であると指摘している。

 

■資格は”最低限の通行証”にすぎず、評定も受験合否には影響しない

英検をはじめとした資格や検定について、97.7%が受験対策に役立たないと回答。入試評価対象は「構想」「仮説」「学問への構造的接続」であり、資格や成績は最低ラインでしかないとしている。

記述回答では「スコアよりも“何を考えているか”が大切」(国公立・47歳・女性)「中身のある言語化能力がなければ無意味」(私立・40歳・女性)といった声があがっている。

また、97.3%が、評定は受験合否には影響しないと回答している。評定平均値の数字が良くても、合格の理由にはならない。学校現場や学習塾・予備校の指導では、「評定を上げれば進学に有利」と信じられているが、大学教員の評価軸は別の場所にあるようだ。

記述回答では、「点数ではなく“構造のある知性”が選抜の対象」(私立・45歳・女性)「評定が高くても“空っぽ”な子は多い」(国公立・49歳・女性)「見ているのは“仮説と検証意欲”」(国公立・52歳・女性)といった声があった。

 

■9割が専門塾の利用に肯定的 ChatGPTの活用は大学側も“歓迎”

専門塾の利用については、「積極的に利用してもらいたい」(53.4%)、「場合によっては利用してもらいたい」(41.1%)をあわせて、9割以上が肯定的な回答している。

また、ChatGPTを利用することについても、「積極的に利用してもらいたい」(85.9%)、「場合によっては利用してもらいたい」(10.9%)をあわせて、96.8%が肯定的。生成AIは、むしろ“問いを鍛える道具”になっており、AIを使いこなせる能力こそ評価に値すると捉えているようで、記述式回答でも、「構造を整理するには非常に優れたツール」(私立・37歳・女性)「“仮説思考”の壁打ちとして有効」(国公立・50歳・女性)「もはや使えるかどうかが“リテラシーの指標”」(国公立・48歳・男性)といった声があった。

 

■“第一志望のフリ”より“構造的な整合性”

専願や第一志望の規定は守られていると感じるかとの設問に、92.1%の国公立/私立大学所属の教授らが、専願等の「受験に制限が生じる類の規程」を実際には守らないことを許容すると回答している。

 

■国会などに政策提言を行う予定

同研究所では、本調査内容をもとに、石破総理、文部科学省等をはじめとして関連する官公庁、国会や各種教育機関に対して政策提言を予定している。特に提言内容としては「新しい時代の入試制度のあり方」「公教育と民間教育の適切な役割分担」「生成AI時代のリテラシー教育」に関する3大政策を策定。今後の教育政策に直接的な示唆を与える存在として、教育行政・受験産業・保護者・高校の指導現場の間で議論の軸となることを目指すとしている。

 

【調査概要】

調査名 大学教授等612名に聞いた「総合型/推薦入試の採点基準、合否判定基準、及び評価指標等の実態調査」

対象者 国公立/私立大学に所属する教授・准教授・助教・教員・講師・名誉教授・客員教授等612人(内訳:国公立大学58人・私立大学554人)

調査期間 5月1日〜5月31日

調査方法 オンラインによるアンケート調査(選択・記述式併用)

調査目的 総合型(旧AO入試)/推薦入試における大学教授や採点担当者側の評価視点・指導現場への期待値・AIや学習塾・予備校の活用に関する最新動向を明らかにすること

 

 

株式会社日本進学教育研究所

 

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