サイボウズの「ソーシャルデザインラボ(そでらぼ)」は8月19日、不登校初期段階の子供を持つ保護者に寄り添う新たな支援モデルについて、政策提案ページを公開した。国の「COCOLOプラン」に基づき、現場支援を後押しするアプリパックを今秋に提供予定で、特別価格での支援導入プランを含め準備を進めているという。
本提案は、保護者が孤立せず、必要な支援につながれるよう、自治体・学校・フリースクールなどをつなぎ、オンラインで相談や情報共有を行える仕組みを、同社の業務改善プラットフォーム「kintone」を活用し構築するもの。COCOLOプランでは、自治体が地域の支援機関や制度を整理し、保護者が必要な支援にアクセスできる環境整備を進めることが求められている。そでらぼの提案は、この方針に基づき、保護者の支援のために、現場で即導入できる具体的な仕組みとして設計している。
自治体や教育委員会が、匿名利用可能な「不登校相談窓口」をkintone上に構築する。保護者は名前を出さない方法も選べ、安心して相談できる。相談内容はデータとしてまとめられるため、これまで寄せられた他の人の相談や解決事例も調べることができる。学校や専門家とつながることで、子供や家庭に合ったアドバイスが受けられる。
フリースクールや支援団体での活動記録をkintoneで一元管理し、学校側と自動で共有する仕組みを構築する。保護者は子供の日々の活動や成長をリアルタイムで把握でき、家庭での関わり方に生かせる。学校側には活動記録や出席状況が直接共有されるため、従来必要だった連絡や書類作成の負担が軽減。さらに、この情報は助成金の申請や成果報告にも活用できる。
今後の展開として、本提案を自治体や教育現場で活用できるよう、今秋にkintoneアプリパックの提供を予定している。また、実証実験の場として、同社が運営するフリースクール「サイボウズの楽校」でも活用し、現場での改善を重ねていくとしている。