12月8日は「有機農業の日」。これに関連し、農林水産省では学校給食で有機農産物の利用に取り組んだ全国の事例についてホームページで公開している。
農林水産省:学校給食での有機農産物等の利用(2025)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/yuki2025/school2025.html
サイト内の「九州・沖縄地区」の事例の一つとして取り上げられているのは、(学)都築育英学園 リンデンホールスクール小学部・中高学部。
同校は、年間を通じてオーガニック給食を提供しており、米と野菜が100%有機農産物。2024年8月には学校給食としては全国で初めて「有機料理を提供する飲食店等の管理方法」(JAS0004)を取得している。
同校では2019年9月から、学校給食の一部にオーガニック野菜の使用を開始。2021年4月以降は野菜が100%オーガニックとなった。現在、野菜と米は全て地元にある有機農法、完全無農薬栽培を行う農園で採れたもの、卵は地元の養鶏場、魚は地元市場から、肉は国産のものを使用している。献立は和食中心で、発酵食品なども積極的に取り入れている。
食育の一環としては、給食で出た野菜や果物の皮などは、生徒がコンポスト(堆肥)にし、それを使って校内外の畑などで野菜を育てる取組も行っている。活動を通して循環型の仕組みを理解し、環境問題やフードロスなどの社会課題にも意識を向けるきっかけになっているという。
同校のこうした取組は地元でも評価されている。
同校中高学部は今年11月1日に開催された「食育・地産地消月間キックオフイベント」(主催・福岡県)において、オーガニック給食の取組が農林水産物の消費拡大につながる活動と高く評価され、「ふくおか農林漁業応援団体」として表彰を受けた。この表彰は、地元農林漁業への理解促進や地域食材の積極的な利用を行う団体を称えるもので、県内の学校・企業・団体などが選定されている。
表彰式に参加した中学2年生と高校2年生の生徒は「自分たちの給食が農家の方も応援できているという点が改めて素晴らしいなと感じた」といった感想を述べていた。
リンデンホールスクール小学部・中高学部 Webサイト https://lindenhall.ed.jp/