世界の歴史を1冊の絵本にした『世界 時空の歴史大図鑑』でイラストを手掛けた、カルラ・マネア氏が来日。これまで子供向けの本や、さまざまなジャンルの作品に携わってきた同氏に5月20日、本作品や普段の制作について聞いた。
カルラ・マネア氏
｢人類の歴史｣を長大な大河の流れとして捉え、時間の経過を‘歴史の川’として表現。1本のライン上に歴史の出来事が順番に並んでいるので、ページをめくりラインをたどることで歴史の流れを俯瞰できる。
古代から現代までの歴史と文明を取り上げるほか、｢文学｣｢スポーツ｣｢発明｣といったテーマごとでも紹介。観音開きの仕掛けもあり、40枚のイラストで美しく、読みやすくまとめた。
著者、編集者、そしてマネア氏の3者が携わった。｢歴史のつながりをラインで表現しつつ、たくさんの情報をミニマムにまとめるように意識した｣(マネア氏)。
原書が刊行されたイタリアでは8歳以上の子供たちが手にとる想定という。”図鑑”と書名にある通り、1つひとつの歴史の出来事がコンパクトに紹介され、世界で同時になにが起きたのかも分かりやすく示している。
日本の｢源氏物語｣も取り上げる
マネア氏が初めて本のイラストを描いたのは18歳の時。これまで児童書や、ヤングアダルトの本など幅広く手掛けてきた。本のテーマやターゲットに合わせ、さまざまなテイストの画風に取り組んでいる。｢常に変化していきたいし、挑戦したい｣と語る。
『世界 時空の歴史大図鑑』
トンマーゾ・マイオレッリ／文
ジョヴァンニ・カプラーラ／解説
青柳正規／監修 山崎瑞花／訳
西村書店／刊
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年6月16日号掲載
