6月28日、大阪・関西万博「inochiのペイフォワードWeek Presented by中外製薬」で、将来医師を目指す高校生たちがヘルスケア課題の解決を目指すアイデアを発表した。発表を行ったのは、四天王寺高校(大阪府)の生徒。ランドセル負担軽減機能「ぴたかる」について、試作品を製作し発表した。試作品の製作にはランドセルメーカーのセイバンが協力している。
「ぴたかる」は、ランドセルの中の荷物を背中側に固定するための付属品。ランドセルの内部に装着することで、重心が常に背中側で安定し、子供の体への負担を軽減。自然な姿勢でランドセルを背負えるため、姿勢の悪化を防ぐことができる。
生徒らが考案したランドセル負担軽減機能「ぴたかる」
本機能を考案した同校生徒らは製作のきっかけについて次のように語る。
「昨今話題になっている『小学生の姿勢悪化』の問題を解決できるものを製作したいと考えました。姿勢は、“意識”で変えることができますが、ランドセルに重たい荷物を入れて背負っている状態では、よい姿勢を意識して直すことが難しいと思いました。そこで、ランドセルを背負った状態でもよい姿勢を保つことができる機能を考えることで、“無意識下での姿勢改善”にアプローチできると考えました。また、重いランドセルを背負うことで心身に不調が起きる『ランドセル症候群』の問題も考慮しました」。
取り組みにあたって苦労したことは、アイデアの具現化と他社との差別化。何度も試作検証を繰り返しながら、3Dプリンターを使用したベルト固定タイプの仕様に決定したという。
打ち合わせの様子
製作協力をしたセイバンは、「ランドセルの荷物の重量化による小学生の姿勢悪化」という課題に向き合う生徒らの発想と想いに強く共感し、試作品製作を技術面からサポート。今年3月の顔合わせから計5回の打ち合わせを通してサンプル製作や検証を行い、6月20日に最終サンプルが完成した。
「ぴたかる」は現在特許を出願中。生徒らは今後、商品化と販売を目指して引き続きヘルスケアの課題に取り組んでいくとしている。