LINEヤフーは7月28日、スタンプ制作体験とSNSリテラシー教育を組み合わせた体験型プログラムを実施した。トーク事業本部 スタンプ企画・畑山有紀氏、 西川浩平氏、CSR推進本部 IT人材育成プロジェクト・竹安千香子氏が登壇し、スタンプづくりを起点に「発信の責任」と「多様な受け取り方」を学ぶ実践的な内容が展開された。
本プログラムは、前半でLINEスタンプメーカーの生成AIを活用したオリジナルスタンプ制作を行い、後半にSNSでの発信に関するリテラシー教育を組み合わせる二部構成、SNSでのコミュニケーションに潜む「感じ方の違い」について学ぶ時間が設けられた。
後半のリテラシーセッションでは、「同じスタンプでも、見る人によって意味が変わる」というSNS時代の基本を、子供たちが自ら考える形式で学習。
「おもしろいね」と書かれたスタンプが、「共感」か「皮肉」か、あるいは「バカにしている」のかといった異なる解釈が生まれることを、スタンプやメッセージ例を使って体感的に学んだ。これは、「送り手」と「受け手」の捉え方のズレを直感的に理解する効果的な導入となった。
その後、昔話『桃太郎』を題材にしたユニークなケーススタディが展開された。もし桃太郎たちが鬼退治の様子をSNSに投稿したら、どんな反応が返ってくるだろうか?という問いに対し、参加者は「応援する人」「信じやすい人」「ふざけやすい人」「批判しやすい人」の4つの視点から投稿内容を分析。投稿が思わぬ形で広まり、誤解や批判を受ける可能性について話し合った。
プログラムの締めくくりでは、自分が制作したスタンプの中から1つを選び、そのスタンプが4タイプの人にどう受け止められる可能性があるかを「見える化シート」に書き出すワークを実施した。
この一連のプロセスを通して、参加者は「同じスタンプでも、受け取り方が大きく異なる」ということを実感した。
本プログラムは、単なるSNSの注意喚起にとどまらず、「表現する自由」と「他者の視点を想像する力」のバランスを実践的に学べる内容として高い教育効果を発揮した。
竹安氏は「LINEスタンプという身近なツールを通じて、SNS上での“想像力”を養ってほしい」と語る。参加した学生も「人によって感じ方が異なるので、丁寧な言葉選びを心がけたい。」と述べた。
今後も同社では、こうした体験的なプログラムを通じて、次世代の発信者に必要なリテラシーを育む活動を継続していく予定だ。