一社・HelloWorldで多様性の社会実装に向けた調査・研究活動を行う「IntEx Lab(国際交流研究所)」は3月30日、研究パートナーである高橋美由紀氏と金城國夫氏が「AI支援ツールを用いた音読とやり取り活動の練習量が英語学習成果に及ぼす効果」に関する研究論文を「言語教育エキスポ2026」にて発表したことを公表した。

論文タイトル:AI 支援ツールを用いた音読とやり取り活動の練習量が英語学習成果に及ぼす効果-量効果・相互作用効果・交互作用効果の検証-
発表学会:言語教育エキスポ2026https://www.jactfl.or.jp/?p=5228
口頭発表日:2026年3月1日(日)
※論文が掲載された予稿集『言語教育エキスポ2026予稿集+』は、2026年4月に同学会Webサイトにて公開予定。
近年、日本の中学校英語教育においては、「話すこと」「やり取り」に代表されるスピーキング能力の育成がこれまで以上に重視されている。学習指導要領の改訂とも相まって、ICTやAIを活用した学習環境の整備が進められているものの、授業時間には限りがあり、生徒一人ひとりが十分な量のスピーキング練習を行うことは依然として困難だ。このような状況のもと、授業外において生徒の学習機会を補完し、個別最適な学びを支える仕組みの構築が喫緊の課題となっている。
IntEx Labでは、この課題の解決に向け、AI支援ツールの有効な活用方法の開発や効果検証に取り組んでいるIntEx Labの連携するHelloWorldが提供するAI英語学習アプリ「WorldClassroom」を用いた先行研究では、AI支援ツールが中学生の英語学習において教育的効果を持ち得ることや、生徒の自律的な学習を支え得ることを示した。
これを踏まえ本研究は、第二言語習得理論に基づき、AIを活用して「練習の質と量」を確保することが中学生の英語力向上に具体的にどのような成果をもたらすのかを明らかにすべく、同様に「WorldClassroom」のデータを活用して実施された。
なお、先行研究・本研究共に、HelloWorldから提供された個人が識別できない統計データをもとにしている。
本研究では、2025年4月〜12月に収集された中学生4,005人の学習データを分析した結果、「WorldClassroom」のようなAI支援ツールを用いた学習が英語能力の段階的な発達に寄与することが実証された 。
学習前後で全体の38.4%の生徒に英語能力レベル(CEFR-J)の向上が認められ、統計的にも極めて有意な成果が得られた。
成績が伸び悩みやすい中級段階においては、練習回数よりも「毎週ログインして学習を続けること」が能力の維持・向上に重要であることが明らかになった。
これらのことから、AI支援ツールを活用することの重要性と共に、授業改善に向けては、生徒のレベルに応じた練習内容の設計や、継続的学習を促す指導が求められると言えそうだ。