国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センターは10月19日、2025年度「キャリア教育に関する総合的研究第二次報告書」を公開した。同センターでは、おおむね7年に1度キャリア教育に関する総合的研究を実施しており、今回の報告書は2025年度に実施した調査データをもとに、同年1月に公表された第一次報告書の結果をさらに深めて詳細な分析を行ったもの。
本研究の目的は、今後の学校におけるキャリア教育の改善や充実に向けた基礎資料を得ることにある。第一次報告書が主に継続調査校の状況を扱ったのに対し、第二次報告書では、校種間や調査間の関係、さらにはキャリア教育の推進校における教師や児童生徒の意識などについて、より踏み込んだ分析が行われている。
調査は2025年6月9日から7月25日にかけて実施され、小・中学校および高等学校を対象に「学校調査」「学級・ホームルーム担任調査」「児童生徒調査」の3種類が行われた。対象校は前回2019年度調査時の抽出校を基本とした継続調査校に加え、文部科学大臣表彰を受賞したキャリア教育の推進校が追加されている。
報告書では主に三つのテーマについて分析がなされている。1点目はカリキュラム・マネジメントに関し、組織的な計画・実施・評価・改善のサイクルや教員の研修機会、全体計画に基づく時間確保の重要性などが取り上げられている。2点目は職業に関する体験活動についてで、児童生徒が多様な人や大人と関わる機会の充実や、体験と学習・学校生活との関連付けの必要性が示されている。3点目は「キャリア・パスポート」の活用について、記録を基にした対話の促進や、授業を通じた自己理解・多面的な効果の実感が取り上げられているとともに、校内での共通理解や運用負担の軽減といった課題も挙げられている。
さらに、推進校のデータ分析からは、教職員の研修を通じた理解深化や地域・企業等の外部資源を活用した学外連携の広がりが推察されている。
同研究所は今後、教育委員会や学校が活用しやすい媒体による提供方法を検討し、キャリア教育の更なる充実や継続的な学校支援体制の構築につなげていく方針だ。