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教育ICT

個別最適化された学びにアクセシビリティは必須

2020年11月2日

「自分の症状を登録して自動で表示等が変更」する仕組みが理想

新型コロナウイルス感染症の対応として教育の情報化は加速しているが、コンテンツ面での障害がある子供への対応は遅れている。(一社)日本電子出版協会は7月29日、東洋大学の山田肇名誉教授を講師に迎え、「教育の情報化と障害を持つ子どもへの対応」をテーマに、オンラインでWebセミナーを開催。障害がある子供への教育におけるICT活用例などを紹介した。

総務省はガイドラインとアクセシビリティ診断ツールを作成

総務省はガイドラインとアクセシビリティ診断ツールを作成

日本のWebサイトはアクセシビリティ不足

現在、30人学級のうち2人から4人の子供が何らかの障害を抱えている。「教育のICT化にあわせて、障害を持つ子供に対するICT機器やWebサイトのアクセシビリティ対応が強く求められている」と山田氏は語る。

総務省はWebサイトのアクセシビリティを向上するため、2016年に「みんなの公共サイト運用ガイドライン」を策定。取り組む対象範囲や適合レベル、いつまでに改善するかを各団体のWebサイトで公開するよう求めた。山田氏は「みんなの公共サイト運用ガイドライン」作成委員会の責任者だ。Webサイトには膨大な情報があり、毎日新たなページが更新されるので、すべてのページにおいてアクセシビリティを求めるのは困難とされた。そのため、利用者のために一番大事なことは何かを考え、Webサイトの改善は少しずつ進めるように求めるものだった。

欧米ではWebサイトの適合基準を61の審査項目から3つの適合レベルに分類。レベルA(25項目)は絶対に守らなければならない基本的な配慮事項、レベルAA(13項目)はレベルAと共に守れば、大多数の利用者に情報発信できる配慮事項、レベルAAA(23項目)は容易には達成できない項目も含む高度な配慮事項となる。一般的にレベルAAまでの準拠が求められる。

日本の場合、ある博物館のサイトを、Webアクセシビリティ診断ツール「miChecker」でチェックすると、「このページにはいくつかのアクセシビリティに関する問題が存在する」と表示される。新型コロナウイルス感染症の影響で、YouTubeで動画を発信する美術館や博物館は増えたが、「オンラインギャラリーツアー」のコーナーなどに字幕がなく、聴覚から情報を取得できない人には内容が伝わらないケースが多い。一方、国立近代美術館はアクセシビリティ方針を掲載し、動画には英語と日本語の字幕を付与している。また、大原美術館は、FACIL‚iti機能を搭載し、例えば「視覚疲労」を選択すると文字サイズが拡大されるなど障害に対応した配慮がある。FACIL‚itiは利用者が選択した文字や単語を強調して表示する機能だ。自分の症状を登録すれば、FACIL‚itiに対応したサイトならば、自動変換で文字表示が変更される。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、文部科学省は「子供の学び応援サイト」を立ち上げたが、ログインしてPDFファイルを印刷して使用するものだった。この場合、障害がある子供は利用が困難な場合がある。

デジタル教科書に求められる統合性

自分の特徴を登録するとそれに対応した見え方が提供される仕組みを提供。市の観光サイトなどが採用している

自分の特徴を登録するとそれに対応した見え方が提供される仕組みを提供。市の観光サイトなどが採用している

教科書協会は2019年に「学習者用デジタル教科書ガイドブック」を公表。それに則り、教科書会社はデジタル教科書の漢字へのルビや白黒反転での表示、画面を拡大して読み上げる人のためのリフロー、読み上げ機能の付与などに合意した。これは2019年秋の合意であるため、次年度発行されるデジタル教科書には本機能の搭載が予定されている。

しかし、デジタル教科書のビューアには多くの種類があり、ビューアごとにアクセシビリティ機能の設定方法が異なる。そのため、教科書ごとに支援機能を設定する必要がある。業界で設定を統一し、すべてのデジタル教科書が自動的に対応するのが理想だ。

前述のFACIL‚itiのように自分の症状を登録すれば、すべてのデジタル教科書が対応して、表示が変更されることが望ましいと考える。

障害がある子供がICTを利用する際、それを阻害することがないよう、技術を提供する側の対応が求められる。

GIGAスクール構想でハードが整備されるが、デジタル教科書・教材のアクセシビリティには課題が残る。こうした課題を政府や業界は協力して改善に取り組むべきである。

課題は、デジタル技術を活用することで解決される可能性がある。音声合成や音声認識などは、最初は障害者のために開発されたものが、今では広く一般に活用されている。「誤った際にそれに適した問題やコンテンツが出る」等アダプティブラーニングの技術をアクセシビリティに応用することに可能性がある。

2020年7月17日に「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」の改定が閣議決定された。政府は特別な支援を必要とする子供を誰1人取り残すことがないことに注力している。「個別最適化された学び」を、すべての子供に提供するために、アクセシビリティ対応は必要不可欠だ。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年11月2日号掲載

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