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地域に根差したESDを~第54回全国小中学校環境教育研究大会(東京大会)  第58回東京都小中学校環境教育研究発表会

2023年2月24日

「持続可能な社会づくりのための環境教育の推進―環境教育によって育む学力と環境保全意欲―」を主題に、2022年度 「第54回全国小中学校環境教育研究大会(東京大会)」「第58回東京都小中学校環境教育研究発表会」が1月28日(土)、オンラインで開催された。主催は全国小中学校環境教育研究会、東京都小中学校環境教育研究会。3団体・校の口頭発表、3校の誌上発表、国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室室長の五箇公一氏の講演が「アフターコロナの自然共生社会 コロナから何を学ぶべきか」をテーマに行われた。ここでは3団体・校の実践を紹介する。

生産から消費までを知り課題解決への近道を探る

東京都小中学校環境教育研究会の発表は「持続可能な社会づくりのための環境教育の推進~消費者視点から生産者視点へ・環境教育によって育む学力と環境保全意欲~」。子供たちの多くが10年、20年後には生産者として社会に携わることを踏まえ、「消費や生産を包括的に捉え、持続可能な社会に向けて大きな課題に向き合う姿勢を身につけてから社会に出る」ことが、社会全体として課題を解決していくための近道になると考えた。

12時間の単元計画を作成。生産者の視点として味の素㈱が協力し、同社によるリモート授業等を通じてモノの流れが「原材料→生産→物流→販売→使用(消費)」とつながるサプライチェーンの視点を持つことで、生産から消費に関連するさまざまな環境課題を知り、その解決策を考えた。児童たちは「つくる責任」とは何かを知り、商品を買う・使う時に何ができるか、自分事として考える内容となっている。

単元の検証授業を実施した小学校の事前アンケートでは、児童の興味・関心のある環境問題は報道等で触れる機会の多い「海洋汚染」が高かったが、事後には「地球温暖化」など多岐に渡るテーマに及ぶなど、児童の変化が見て取れた。

同研究会は「2030年のSDGsの目標の達成には時間があまりにも短い。児童生徒と教員、地域、保護者、関係機関、企業等との連携を強固なものにし、ESDを推進していく以外に道はない」としている。

全国初の保幼小中一貫校
体験して学ぶ「富山学」

中学生がプランを提案

中学生がプランを提案

富山学園・千葉県南房総市立富山中学校は「自然体験学習を軸にした『森と海のつながりを学ぶ(水の循環)』学習」を発表。

同学園は小中一貫校、子ども園の、0~15歳までの子供たちが同一敷地内で生活する全国初の保幼小中一貫校。「南房総市への誇りと強い思い」を育てる「富山学(南房総学)」を推進。総合的な学習の時間や特別活動を中心に、各教科の指導を関連させて地域を学ぶ。同地域の自然や歴史・文化、産業等を、さまざまな人から学ぶ点が大きな特徴で、学校を中心とした学びの場を創造している。

2021年度の中学3年生の取組は、修学旅行の目的地である富山(南房総)地区がさらに発展していくために必要なことについて考え、中学生が企画したプランを提供するというもの。コロナ禍で宿泊を伴う行事が中止となったが、3つの体験学習…10月〈海編〉、12月〈森づくり編〉、3月〈地域貢献編〉を実施した。〈海編〉では地元NPO法人等が指導するなど、いずれの体験学習も、地域のさまざまな団体や企業・施設が協力し、生徒の学びに関わる形となった。生徒たちの活動の様子は、地元新聞各社で取り上げられたほか、YouTube南房総市観光協会ちゃんねる「南房総 学旅」でも紹介されている。

3月には、3年間の富山学の学び等から、「修学旅行受け入れプランを企画し、プレゼンテーションしよう」として発表した(=図表)

生徒たちからは「学んだ自然環境についてただ記憶するのではなく、そこからできる自分なりの行動を起こすことに力を入れたい」「体験させていただいた方々、地域の環境に感謝したい」といった感想があった。

6年間の体験活動を系統示して取り組む

中標津の「格子状防風林」の模型を作成し、その機能や地域との関わりを学ぶ

中標津の「格子状防風林」の模型を作成し、その機能や地域との関わりを学ぶ

北海道中標津町立丸山小学校の「ふるさと中標津で生きて行く子どもを育む~環境教育=今ここで生きる子どもの環境を日常の授業で活用すること~」では、「地域の環境を使うこと」「教員が共通に理解していること」「子ども主体の授業が行われること」を重要なポイントとして取り組んだ。

知識・技能の定着と能力の育成には体験活動が不可欠であるとし、教科に体験活動を位置づけるため主な体験活動の6年間の系統を整理。それをもとに教科横断的な学習内容について、各学年で「学級経営年間プログラム」を作成。発展的な学びに活かしている。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年2月20日号掲載

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