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教育旅行

航空機で北へ南へ 遠距離で非日常体験~横浜の3校が報告・修旅研で

2023年11月20日

教育旅行はコロナ禍を経過し、ほぼ以前の状況に戻りつつあるとみられる中で、今年度3回目の修学旅行研究会(代表=廣渕徹志・横浜市立西本郷中学校長)が11月2日、横浜市立横浜吉田中学校で開催された。今年の修学旅行で航空機を利用して北海道、長崎、沖縄を訪問先とした同市内の3中学校が、「生徒の歓声が印象的だった」などそれぞれが実施の経緯や成果を発表した。

開会のあいさつをする廣渕代表(右)と発表する(左から)桂台中・馬場校長、舞岡中・岩田校長、釜利谷中・木村校長

開会のあいさつをする廣渕代表(右)と発表する(左から)桂台中・馬場校長、舞岡中・岩田校長、釜利谷中・木村校長

釜利谷中学校長・木村典明氏は北海道、舞岡中学校長・岩田明正氏は長崎、桂台中学校長・馬場理人氏は沖縄の修学旅行について報告。飛行機を利用することで「遠距離の移動ができる」「非日常的な体験」「公共交通機関利用のルールが身につく」などのメリットがあげられた反面、費用負担の重さなどのデメリットも指摘された。各校発表の概要は次の通り。

■北海道で農水産業体験

釜利谷中学校は北海道で農業・漁業体験を中心にした修学旅行を実施。それ以前の校外学習は、2年生が23日の農村体験(長野)3年生が23日の歴史探訪(京都・奈良)という流れ。しかし往復の車中で過ごす時間が長いうえに、連合体輸送では日程が自由に組めないというマイナス面があるため、農村体験や歴史探訪の良さは残したたうえ行先を見直した結果だという。

3年・北海道と決定したことで、3年間の校外学習を系統だてるため、1年・校区の金沢区、2年・東京と段階的に範囲を広げた班別行動で、集団行動のルール、環境や安全についての行政の取組を考えるプログラムとした。

北海道では2日目をいっぱいに使い、グループに分かれ農業・酪農・漁業体験。農産物の収穫や牛の乳しぼり、ホタテの殻むきなどを体験すると同時に、農水産業の素晴らしさと困難さも聞かされた。

北海道は広いため、本州にない大自然、新鮮でおいしい食事、第一次産業が体験できるなどの良さがたくさんな反面、バス移動時間の長さと費用、救急体制などが課題であると語った。

■長崎平和公園で合唱

舞岡中学校は平和学習と班別行動を中心に、航空機を利用して長崎での修学旅行を実施した。6クラス200人近い大規模校のため、それまで行っていた京都・奈良は宿泊先の確保が困難になってきたこと、平和学習を行いたいなどの理由から行先変更を検討。「平和学習」では沖縄、広島も代表的だが、班別行動、近隣他県にまたがるコース作りが可能な面で長崎が選定されたという。

同校の修学旅行の目的は「集団行動を通して互いを尊重し合い、高め合う関係を構築する」「社会の一員としてのマナーやエチケットを身につけると共に、自分たちで判断し、行動する力を身につける」「平和学習の集大成として、長崎の歴史や文化に触れ、日本の伝統文化や歴史の理解を深め、平和に対する理解を深める」「班別自主行動を通して、協力して行動する大切さを知る」の4点。

初日は長崎平和公園で現地ガイドと一巡し見学した後、「平和セレモニー」として全員で『平和の鐘』を合唱した。思い出に残っただけでなく、深い思考をもった生徒もいた。「『平和の鐘』をみんなで歌ったことで、思いを共有できた」「実際に体験した人からお話を聴く、最後の世代と言われているので自分たちが後世につたえなければ」と事後学習のまとめで記述した生徒もいた。

■沖縄でのマストとは

桂台中学校は今年5月下旬、行先を変更して2回目の沖縄修学旅行を23日で実施。初日は平和学習を目標にして、ガマやひめゆりの塔、旧海軍司令壕の見学。2日目は沖縄らしいアクティビティの体験が目標で、海洋博公園・美ら海水族館等での班別行動、夜は宿泊先リゾートホテルのビーチでのキャンプファイアー、3日目は国際通り散策などの内容。

沖縄の修学旅行で重視したのは「平和学習」と「宿泊体験」。ガマや旧海軍司令部壕では、真剣に見過ぎて気分が悪くなった生徒や、時間ぎりぎりになるまで熱心に見学する生徒の様子がみられたという。宿泊体験について、前回は民泊・観光ホテルを1泊ずつだったところを、民泊の良さは1泊では十分伝わらないのでは、との意見から今回は離島のリゾートホテルで連泊。次回は民泊2泊して方向性を決めたいと述べた。

沖縄での修学旅行の良さは、他の観光地に比べて混雑していないため、他団体とのトラブルや移動時間の心配が少ないところ。さらに独特の食文化や民族芸能、豊富なアクティビティなど、平和学習以外にも多様な選択肢があるところ。航空機を利用することで得られるメリットもある。

考える一番の課題には参加費用をあげる。今回は約72000円としたが、今後のバス料金の動向でさらに負担がます場合も。2年時に行っている自然教室(23)と修学旅行を、校外学習費用として合計して10万円程度に収めるという考え方もふくめ、検討の課題とした。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年11月20日号掲載

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