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AI学習システムを活用したAO選抜入学試験を2023年度入試から開始~立命館大学

2022年4月3日

学校法人立命館とatama plusは2020年12月に設立した「新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会」の中間報告を3月29日(火)に実施。そこでの研究成果を生かし、立命館大学の2023年度入試から、全国初となるAI学習システム「atama+」を活用したAO選抜入学試験を開始する。

左:学校法人立命館 副総長 伊坂忠夫氏、中央:atama plus 代表取締役CEO 稲田大輔氏、右:学校法人立命館 理事長 森島朋三氏


■3つの研究テーマで取り組む

「新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会」では、附属校生の学内推薦合格後の基礎学力定着モデル構築、学習歴を踏まえた新たな入試企画の検討、オンライン入試のプラットフォームの開発の3つの研究テーマを柱に掲げ、取組を進めてきた。については研究継続中のため、この日の発表では①②を中心に報告が行われた。

 


■AI学習システムを活用することで学習時間が増加

1つ目の研究テーマである「附属校生の学内推薦合格後の基礎学力定着モデル構築」では、附属校である立命館守山高等学校でAI学習システム「atama+」を活用した入学教育前の実証を20211月から開始。その結果、従来の全員が同じ内容の教材で学習する形式より、AI学習システムを使用した方が明らかに学習時間の増加が見られた。

 


■理解度に合わせた学習により学習意欲が継続

また、理解度に課題が見られた生徒は、弱点があるとAIが示す単元までさかのぼり学習するため、学習意欲の継続につながった。さらに、成績上位層の生徒は、より高いレベルの内容にチャレンジすることで、この場合も学習意欲の継続につながったという。この立命館守山高等学校での実践をもとに、20214月から立命館大学内部進学コース全学年での活用に移行する。

 


■実践研究会の活動から見えて来た3つの成果

atama plusの稲田大輔代表取締役CEOは実践研究会の活動を通じて3つの点が見えて来たと語る。1点目は「テクノロジーを活用することで、単に学習した履修主義ではなく、学んだことが身につく修得主義の実現」、2点目は「生徒一人ひとりの単元ごとの修得状況の可視化」、3点目は「生徒が自身の修得状況をもとに学習目標や将来の進路を考えることが可能となった」ことを挙げる。

 


<学部指定単元AI学習プログラム 概要>

総合型選抜(AO選抜入学試験)の出願要件として導入するプログラム。AI学習システム「atama+」を使用し、各学部が指定する教科の単元を学習・修得する。期間中は繰り返し学習可能。プログラム出願無料。

開始年度:2023 年度入試 (20234月入学)の総合型選抜(AO選抜入学試験)

科目:数学、数学A、数学、数学B

実施学部:経済学部(経済専攻)、スポーツ健康科学部、食マネジメント学部

対象:2023331日までに高等学校等を卒業・卒業見込みの人

募集人数:6月下旬入学試験要項にて公開予定プログラムの出願人数は無制限

特設サイト:http://www.ritsumei.ac.jp/uniteprogram/

※本プログラムの学習結果は入試の合否には影響しない。


<プログラム受講~入学までの流れ>


■新AO入試では入学前に指定された単元のプログラムに取り組む

AI学習システム「atama+」を活用した新AO入試は2023年度入試から開始。経済学部(経済学専攻)、スポーツ健康科学部、食マネジメント学部の3学部での実施となり、各学部が指定する教科の単元のプログラムを修了することが出願要件となる。今年度、単元が指定される教科は数学で、2023331日までに高等学校等を卒業、または卒業見込みの者が対象となる。募集人数は6月下旬の入学試験要項にて公開される予定。

 


■入学前に学部から指定された単元を学習

プログラム受講から入学までの流れとしては、20225月から8月に受験生はプログラムを出願し、学習に必要なatama+のIDを取得。同時にatama+を活用して「学部指定単元AI学習プログラム」(通称:UNITE Pro)を学習する。そして、20229月に指定単元の修得認定試験を合格した人のみが入試出願が可能となる。

 


■合格が決定してから入学までに必要となる単元をさらに学習

その後、統合型選抜(AO入試)として202210月に出願学部が指定する第1次選考から第2次選考を受験。202211月の入試選考後、合格発表となる。そして202212月から入学までは入学前教育として、合格者を対象に入学後に必要となる単元をさらに学習することで、入学後の学びへスムーズに接続する。

 


■指定された5~8単元を1か月ぐらいかけて学習

20225月から8月に行われる指定単元の学習「UNITE Program」では、高等学校の数学全体の中から、各学部が入学後の学部での学びに特に重要な単元として58単元を指定。その指定された単元をatama+のAI学習システムで学ぶ。所要時間の目安は11時間で学習した場合、半月から1か月程度となる予定。

 


<経済学部 学部長 河音琢郎氏>

AO選抜入試を通して、データから広く経済という事象を捉えることに関心を持ってくれる人材を募っていきたい。経済学部ではデータ分析能力を、さらに高めていくような科目など多様な履修機会を用意している。これらの履修で身につけたリテラシーを存分に発揮して、自ら問いを立て、データを用いて仮説を検証できる人に成長してほしい。

 


<スポーツ健康科学部 学部長 長積仁氏>

スポーツ健康科学は人々の健康と幸福、世界の平和を創造し、未来を拓く学問となる。さらに、何が問題で、どのような課題を克服すべきかを分析する意思決定のスピードを上げるためには、データを読み解く力などが必用となる。AO選抜入試により、課題を抽出し、問題の本質を見極め、数学的素養を活かして、人々の健康と幸福を創造したいという強い意志を抱く人に入学してほしい。

 


<食マネジメント学部 学部長 天野耕二氏>

食マネジメント学部は食に関わる分野の企業経営から地域経営、あるいは国民経済や国際経済の政策決定などで中心的な役割を担う、マネジメント人材を育成する学部として2018年に開設された。世界的な食ビジネス構造の変化が起きている中、食に関するデータを扱う重要性が高まっている。新たに導入されるAO選抜入試により、数学の基礎学力を持ちながらデータリテラシーと論理的思考能力を活かして、食への関心や学び意欲、行動力につなげる学生の入学を期待する。

 


<学校法人立命館 森島朋三理事長 コメント>

「今後もデータを用いることで、附属校と大学の学部との連携を進め、立命館内部の高大接続を強化する。立命館では理系進学層の拡大を大きな問題意識として持っているため、『数学が苦手だから文系』という選択につながらないよう、今回の個別最適化の学習方法を低学年時に活用できるよう継続的に研究していきたい。新AO選抜に関しては高校の教科学習と学部の学びのつながりを、単元レベルで明確化し、アドミッションポリシーを、より高校生に分かる形にして伝えていきたい」

 

AIを活用した指定単元学習プログラム+AO選抜スタート

立命館大学

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