イー・ラーニング研究所は9月20日、子どもがいる親を対象に実施した「2022年：子どもと取り組むSDGsに関する調査」の調査結果を公表した。
その結果、SDGsに関する認知が広がっており、実際に取り組んでいる家庭も多いことがわかった。また、子どもとSDGsに取り組めると思っている一方で、話し合いによって理解を深めている家庭は約3割にとどまっており、「学校」や「インターネット」など、家庭の外でのSDGs教育の実施も求められていることが明らかになった。
調査は2022年8月3日～8月30日、全国の成人男女計407人を対象に行われた。
「SDGsを知っていますか」という問では、「はい」（372）が9割以上であった。近年大企業を始め、社会的にも盛んに取り組まれていることで、親世代にもSDGsが浸透していることがわかる。
さらに、「SDGsに取り組んでみたいと思いますか」という問では、半数が「すでに取り組んでいる」（203）と回答。また、「どのSDGsの項目に取り組んでいますか」では、「質の高い教育をみんなに」（132）が全体の3割以上と最も多く、2位が「貧困をなくそう」（66）、3位が「すべての人に健康と福祉を」(51)と続く。この結果からSDGsの中でも、経済的・身体的な“平等”への関心が高く、特に教育について注力する家庭が多いといえる。
特に“モノを使い切る”など、日常生活に取り入れやすい行動は取り組むハードルが低い
「子どもと一緒にできるSDGsの取り組みがあると思いますか」という問では、9割以上が「はい」（375）と回答。さらに、「どの取り組みなら子どもと取り組めると思いますか」については、「食べ物を残さず食べたりして、ものを使い切るようにする」（289）が7割以上と最も多く、続いて「電気・ガス・水道などを節約する」（271）、「マイボトル・マイバッグなどを持参する」（264）、「買いすぎ、使い過ぎをしない」（234）の3つの項目も6割前後の回答を集めた。このことから、日常生活で取り組みやすい行動であれば、子どもと一緒に取り組める認識が高いことがわかる。
一方で、「水族館・工場・博物館など、SDGsを学べる場所に行く」（116）、「移動はできるだけ徒歩、もしくは自転車や交通機関を利用する」（117）はそれぞれ3割以下となり、家の外でのSDGsの取り組みは難しいことがわかった。こうした取り組みについて、行政や企業が積極的にサポートをすることで、子どもと一緒にできるSDGsの取り組みの幅が広がると考えられる。
SDGs教育の場として最も期待されているのは「家庭」を抑え「学校」が第1位
「子どもにSDGsについて教えるのは難しいと思いますか」という問では、「はい」（111）と回答したのが、3割未満にとどまった。しかし、「SDGsについて家族と話し合ったことがありますか」という問に対しては、約7割が「いいえ」（274）と回答。SDGsは日常生活で取り組みやすい項目が多いことからも、子どもにも教えやすいものと認識している一方で、家族で話す機会を設けて、理解を深めている家庭は少ないことがうかがえる。
また、「子どもにどこでSDGsについて学んでほしいですか」では、約8割が「学校」（317）と回答し、2位が家庭（181）、3位が「インターネット」（167）と続いた。
この結果から、SDGs教育は家庭で取り組めると考える一方で、家庭で取り組みにくいSDGsの項目については教育機関でしっかりと学んでほしいという希望も多くあることがうかがえる。さらに、約4割が「インターネット」と回答していることからも、今後はオンラインでのSDGs教育にも注目が集まることが予想される。
