公財・山田進太郎D&I財団は、高校生女子が文理選択時に理系を選択することを支援する、抽選制・返済不要の「STEM(理系)女子奨学助成金」の5期目を募集中だ。今回は、文理選択に悩む方にとっても「もし理系に進んだら?」という可能性に目を向けるきっかけになればとの思いから、例年より約2か月早く、5月から募集を開始している。同財団は2021年の開始以来、累計約1,700人に総額約2億2,000万円を支給している。今年度も全国約500人の生徒を対象に一人当たり10万円の奨学助成金を提供する。
日本のSTEM分野への女性の大学進学率は、OECD諸国の中で最低水準の20.7%にとどまり、理系進学を考える女子生徒への情報提供や支援はまだ十分とは言えない。特に高校1年生の文理選択の時期には、「理系科目に自信がない」「将来像が見えない」といった不安から、明確な理由がないまま文系を選ぶケースも少なくないのではないかと、同財団では考えているという。
本奨学金は、そうした“迷い”の段階にある生徒にも、理系という選択肢を前向きに考えてもらうきっかけとなることを目指している。加えて、奨学生同士やSTEM領域で活躍する女性との交流の場「奨学生の集い」などを通じて、STEM領域に進学した後の将来像をより具体的に描けるよう継続的にサポートも行う。