セイコーエプソンは、海外では初出展となる、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」を、6月24日から27日にドイツ、メッセ・ミュンヘン(Messe München)で開催される「Automatica」にて展示する。同社は、本展示を契機にグローバル商用化に向けた展開を本格開始すると発表した。
「Direct to Shape Printing System」は、同社独自のPrecisionCoreプリントヘッドの中でも、コンパクトな形状と高精度を両立した「S800」と、エプソンの産業用ロボットを組み合わせた革新的な立体物への直接印刷ソリューション。「S800」は PrecisionCoreプリントヘッドの中で最も小さく、このコンパクトな形状により、溝や湾曲などの複雑形状にも印刷が可能。また6軸ロボットと独立昇降機構の組み合わせにより、さまざまな印刷姿勢にも柔軟に対応できる。これにより、立体物に対して高品質かつ高精度な印刷を実現する。
5個並んだプリントヘッドがそれぞれ単体で昇降でき、さまざまな印刷物の形状に沿わせることで高精度な印刷が可能
従来のアナログ印刷から「Direct to Shape Printing System」でデジタル化を図ることで、人が介在していた作業の自動化や装置の省スペース化を実現し「製造工程の合理化」に貢献する。またインクジェット技術の特長である「必要なところに、必要な量だけ」印刷することで、使用材料や廃棄物を削減し「環境負荷の低減」にも寄与する。そしてオペレーションごとに版や専用材料を用意する必要がなくなるため、コストを抑えながらパーソナライズやカスタマイゼーションのニーズに応え、より多様なデザインや加飾表現を可能にする。
本ソリューションは、スポーツ・産業用途のヘルメットや自動車部品(内装、外装)、家電製品、スポーツ用品、アパレル雑貨用品など立体形状への印刷需要が見込まれる分野における活用を想定している。またグラフィック用途だけでなく、導電性インクを用いたセンシング印刷や立体物へのコーティングなど機能性印刷での活用も視野に入れているという。