受賞者インタビュー 品川女子学院高等部1年 小森 日菜子さん
行動すること、情熱をもつこと
小学5年生の時『ヤマイヌ ~私が解明したい謎のニホンオオカミ~』で第25回図書館を使った調べる学習コンクール(調べコン)文部科学大臣賞を受賞。作品への取組を通して多くのことを学んだと語る。
──受賞作品に取り組んだきっかけは
小学校4年生の時に、国立科学博物館筑波研究施設を一般の人が見学できる「科博オープンラボ」に参加しました。その際、ある剥製標本(M831)を見て「(絶滅動物の)ニホンオオカミかもしれない」と思ったことです。案内して下さった方に「これはニホンオオカミの剥製ですか?」と尋ねましたが分からず、心に引っ掛かり、調べることにしました。
──調べるだけでなく、作品にしたのはなぜでしょうか
幼稚園の頃から絶滅動物に興味があり、自分で絵を描いて図鑑を作る程でした。そうしたなか、地元の公共図書館で調べコン受賞作品の複製を見て「私も自分が書いた本をいろいろな人に読んで欲しいな」と思い、小学生になって自分もチャレンジし始めました。
──まとめ方はどのように身につけましたか
小学1年生の時は公共図書館が夏休みに開催している「調べる学習講座」に参加し、他の人の入賞作品も参考にしました。その後2年生、3年生の時にも取り組む中で自分のまとめ方が徐々に出来ていったように思います。ちなみに2年生の時にもニホンオオカミをテーマに調べており、それがM831に気付くきっかけになりました。
調べコンの作品には頁数に制限があります。たくさんのことを調べましたが、本当に必要なことに絞ってまとめた結果、読みやすい作品に仕上げることができました。
──大変だっことや工夫したことは

小森さんの受賞作品『ヤマイヌ~私が解明したい謎のニホンオオカミ~』 画像提供:図書館振興財団
色々ありますが、昔の文献の字を読むのが難しかったので、父に『漢字くずし方辞典』(東京堂出版)を買ってもらい、一緒に解読したりしました。また字を揃えて真っ直ぐ書けるよう、字の大きさの目安になる黒い丸が並んだ下敷きを母が作ってくれたりしました。
──作品への取組を通して学んだことは
まず「行動が大事である」ということ。科博オープンラボでは、案内の方に思い切って声をかけたことから自分の疑問が生まれ、筑波研究施設へ再見学がしたいとメールを送ったことでその希望が叶いました。さらにそれがきっかけで、国立科学博物館動物研究部の川田伸一郎先生にお会いでき、調べを進めていくうちに山階鳥類研究所の小林さやか先生にもアドバイスを頂けました。
それから「情熱をもって取り組む大切さ」です。私が剥製標本を見つけたから皆に知らせたいという使命感が、作品に取り組む原動力でした。後から知ったのですが、その情熱が伝わったからこそ、先生方が協力して下さったそうです。
また「1冊だけで調べるのではなく、同じテーマについて複数の本を読むこと」も重要でした。稀に本が間違っていたり、版が新しくなった時に削除された記述もあったからです。図書館は同じテーマでたくさんの本があるので、調べるのに良いですよね。
──後に受賞作品からさらに研究を進め、6年生の時には川田先生、小林先生と共に科学論文(※)を発表されましたね
M831がニホンオオカミの剥製であると証明でき、本当に嬉しかったです。将来は研究者になってニホンオオカミの真の姿に迫りたいです。
(2026年2月取材)
※『国立科学博物館所蔵ヤマイヌ剥製標本はニホンオオカミ Canis lupus hodophilaxか?』(2023年3月9日受領、同年12月20日受理)
★小森さんの受賞作品はデジタルブックで読むことができます
(図書館振興財団のWebサイトに移動します)
https://concours.toshokan.or.jp//book/250003/