東京学芸大学附属世田谷中学校(増田謙太郎校長)では3月21日、現職研修セミナー「明日から活用できる学校図書館Vol.6」が開催された。
毎年3月に実施される本セミナー。今回は授業の実践報告のほか、「音×創作」を取り入れたワークショップ「ボイスフレンド」「KAPLA」、青山学院大学の庭井史絵准教授による講演などが行われた。

森教諭
英語科の森美穂教諭による実践報告は「はじめて図書館とつながってみた『英語でも図書館使えるんだ⁉~留学生との交流から学ぶ世界の文化~』」。
東京学芸大学の留学生が、附属中学校である同校に視察にくることになった。この機会を捉え、留学生に授業への協力を依頼。7か国から来日している10人の留学生が来校することになった。
事前準備として、生徒たちは学校図書館で1時間を使い、留学生の出身国についての調べ学習を行った。留学生1人に対し生徒3~4人のグループを作り、当日は調べたことについて1人2分程度で留学生にプレゼンテーションを行う。
留学生の出身国はベラルーシ、カザフスタン、メキシコ、ナミビアなどさまざま。村上恭子学校司書が、各国に関する図書資料を公共図書館や古書などからも探し出して準備した。各国の文化はどのようなものなのか、生徒には1人1台端末ではなく目の前の本で調べることを促した。伝統的な祭りに驚いたり、本を開くと意図せず新鮮な発見があり、生徒同士で共有することにもなった。調べて分かったことは英語で伝えられるよう、各自でまとめて準備した。
授業当日は『英語であやとり』(汐文社)をヒントに、留学生とあやとりを楽しむアイスブレイクの後、生徒たちが調べたことを留学生にプレゼンテーションし、留学生からも自国についてプレゼンテーションが行われた。授業後、生徒たちからは「普段の英語の授業が無駄ではなく役立つことがわかった」「英語を通して何かを学ぶ授業だった」などの感想があった。

研修セミナーに内外の教員や学校司書、研究者などが参加
これまで森教諭は、英語の授業として学校図書館を使うことに迷いがあったという。
英語の知識(文法や語彙)を学ぶ一方で、教材で扱うテーマについて日本語の図書資料で深堀りしても、それを生徒たちが英語で表現するには語彙が不足していること、また英語に触れる貴重な授業時間を、日本語による調べ学習に充てることが英語の授業として良いのか、というのが理由だ。
今回、英語の授業で学校図書館を利用したのは「留学生との授業の学びを深めるために、伝えたいことは母語でなくては整理できない。そのために日本語で調べ学習をする時間が必要」と捉えたから。‘伝えたい’と思うことが、英語学習への意欲を高めるチャンスとなる。村上学校司書が「生徒が自分の国のことを調べてくれたら、留学生も嬉しいのではないか」と話したこともきっかけになったという。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年4月27日号掲載