川崎市立橘高等学校では、生徒がSDGsの実現に向けた視点で自分の興味や関心があるテーマについて課題設定し、探究学習を進めている。
このほど、2、3年生が、事業者が抱えている脱炭素社会やプラスチック資源循環実現のための課題に対し、現状を調査・探究し、更なる取組の推進につながる解決策を各事業者へ提案した。今後、一部の提案については、11月13日に開催される第18回川崎国際環境技術展の特別企画で、生徒たちによる取組結果の発表を行う。

■事業者の課題解決に向けた取組提案
今回の探究学習は4月よりスタート。2、3年生混成のグループで学習を進めていった。情報の収集、整理・分析そして課題解決策まで一連の学習内容についてまとめ、6月23日、課題解決策の発表を行った。この日参加したのは、2、3年生の生徒542人と、脱炭素アクションみぞのくち推進会議やかわさきプラスチック循環プロジェクトに参加している事業者など8社。
各事業者とそのテーマは以下のとおり。

■生徒の主な提案内容

事業者から生徒へのフィードバックも
- マヨネーズボトルのリサイクルの促進アイデアとして、個人からの回収ではそれほど集まらないので、たこ焼き屋さんなどと協力して、お店で使ったボトルを回収する。
- 取り組み内容を、電車の広告やSNSを活用して発信する。
- 市民向けにワークショップを実施し、取り組み理解を促す。
上記のような、事業者が実施している取組を知ってもらう方法やリサイクルの取組を広げる方法などについて、生徒から提案が行われた。また、以下のような学校教育への提案もあった。
- リサイクルに興味をもってもらうために、「牛乳パック」⇒「トイレットペーパー」や「ペットボトル」⇒「服」のように、「ごみや資源物」と「リサイクルした物」を組み合わせる「リサイクル神経衰弱」のゲームを学校教育に取り入れてみる。
■事業者コメント
- 高校生ならではの発想で、サステナブルを楽しく遊びながら学ぶワークショップを提案してもらえました。今後、ホームゲームで実現していきたいと思います。(株式会社川崎フロンターレ)
- 授業を機に、若者らしく探求を深め、未来を切り拓くことを期待する一方、若者へ良い形でバトンを渡すのは我々大人の責任だと改めて感じました。(川崎未来エナジー株式会社)
■生徒コメント
- ごみ問題は今現在も大きな課題ですが、将来的な課題でもあると感じました。今後も、SDGsに関心をもって、自ら行動できるようにしていきたいです。今回の学習を通して、視野を広げることができました。(2年生)
- 再生可能エネルギーの普及はこれからの世界には欠かせないものだと思ったので、しっかりと関心をもち、身の回りで出来ることであれば積極的に取り組みたいです。今回お話を聞いた事業者が取り組んでいることは、他の環境課題の解決にもつながると思うので生かしていきたいです。(3年生)
川崎市立橘高等学校
神奈川県川崎市