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危険だと感じる環境問題は「気候変動」が6年連続でトップに~高校生世代の環境に関するキーワードの知識は他世代の3倍以上~「第6回 生活者の環境危機意識調査」

2025年9月20日

環境問題への危機意識および行動について把握するため、(公財)旭硝子財団は全国の10~60代の男女1301人を対象に「第6回 生活者の環境危機意識調査」を実施した。その結果、日本国内における環境問題で危機的な状態にあると考える項目のトップは「気候変動」(46.7%)が6年連続で1位となった。また、バイオダイバーシティ」「ネイチャーポジティブ」など環境問題に関するキーワードは他の世代よりも高校生の認知度は3倍も高いことが明らかとなった。

 

■夏の異常な猛暑や豪雨被害を懸念する回答が高く

「気候変動」が危機的な状態にあると感じる理由で最も多かったのは、夏の異常な猛暑や豪雨被害を懸念する回答だった。また、異常気象による作物の生育への影響や、それに伴う野菜や米の価格高騰などへの不安が寄せられている。猛暑については連日のメディア報道や熱中症での体調不良など実生活における体験を通じて危機を実感する人が多くなっている。

 

■「総合的な探究の時間」を通じて環境への意識が高まる高校生世代

一方、「環境問題で危機的に感じることはない」との回答が最も高かったのはZ世代で13.1%、次いで大人世代が 9.1%、高校生世代は 3.8%だった。今回初めて調査対象に追加した高校生世代では、2022年度から高校で必修科目となった「総合的な探究の時間」を通じて環境問題に触れる機会が多く、環境への危機意識が高まっていることが伺える。高校生世代では「気候変動」(45.7%)に次いで「人口」(15.2%)への危機感が高く、Z世代や大人世代との間にギャップが見られる結果となった。

 

■環境問題への危機感意識を時計に例えると「729分」

環境問題への危機意識を時刻に例えると、全国平均は「729分」となり「かなり不安」という結果になった。世代別では高校生世代「723分」、Z世代「74分」、大人世代「755分」で大人世代の方がより危機を感じている一方、高校生世代はZ世代より危機意識を持っているのが分かる。昨年の同調査では全国平均で「659分」、Z世代で「643分」、大人世代で「713分」だったことから、昨年より危機意識が高まっている結果となった。不安に感じる主な理由として、国内外での異常気象についての回答が多く寄せられた。

 

■環境問題のキーワードは高校生世代が最も認知度が高い

環境問題に関する近年のキーワードでは、全国平均では「フードロス」「カーボンニュートラル」の認知度が高かった。また、「バイオダイバーシティ」「ネイチャーポジティブ」「プラネタリーバウンダリー」など、比較的専門性の高いワードも一定の認知度があり、全ての項目において、高校生世代の認知度が一番高いという結果になった。

 

■環境に関するキーワードは高校生世代が大人世代の23倍以上の認知度

「バイオダイバーシティ」の認知度は、大人世代が12.1%だったのに対し、高校生世代では26.7%と2倍以上。「ネイチャーポジティブ」の認知度は、大人世代が9.5%だったのに対し、高校生世代は20.0%と2倍以上。「プラネタリバウンダリー」の認知度は、大人世代が7.4%だったのに対し、高校生世代では22.8%と3倍以上の高い認知度となっている。

 

■高校生世代は環境問題に対して積極的な活動

「地球沸騰化の時代」に個人で何かしらの行動を起こしている人は全国平均で75.6%。具体的な行動は、1位「エコな交通手段を利用」、2位「地元産や季節性ある食物を選択」、3 位「家電や衣類などをリサイクル」の順となり、日常生活で実践できる行動が多い。

また、高校生世代については「学校や職場で環境問題解決に向けた活動や企画提案を行う」14.8%と、「環境問題解決のために活動している NGO などの団体に対し、会員になったり寄付をしたりして支援する」10.0%など、環境問題に対して積極的な行動をとっていることが伺える。

SDGs達成度は若い世代ほど高くなっている

日本における現時点の感覚的なSDGs達成度は、高校生世代32.8%Z世代28.5%、大人世代24.5%と、若い世代ほど高くなっている。達成度を0と回答したのは全国平均13.3%174人)となり、危機感を持っている人も多い。全国平均は25.1%で、2030年の100%達成という目標には、ほど遠い数値となっている。

 

SDGsに感覚的達成度は世界の方が日本よりわずかながら高い

世界における現時点の感覚的なSDGs達成度は、高校生世代は34.1%Z世代は30.9%、大人世代は28.1%で、日本国内と同様に若い世代ほど高い。感覚的達成度は日本では25.1%、世界では28.2%となっており、世界の方が日本よりもわずかながらSDGs達成度が高い感覚となっていることが分かる。

 

SDGsの達成度は「貧困をなくそう」の評価が二分する結果に

SDGs の達成期限である 2030 年までに達成度が高いと思う目標を聞いたところ、1位「貧困をなくそう」、2位「安全な水とトイレを世界中に」、3位「飢餓をゼロに」の順となり、昨年と順位は異なるが、達成度が高いと感じている目標は概ね同じ傾向にある。また、達成度が低いと思う目標は、1位「貧困をなくそう」、同率2位で「働きがいも経済成長も」「気候変動に具体的な対策を」となり「貧困をなくそう」は評価が二分する結果となった。

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■ジェンダー平等の実現は若者から厳しい見方も

SDGsの達成度が高いと思う目標の高校生世代の2位は「質の高い教育をみんなに」で、自身の生活に関わる目標の達成度に注目していることが伺える。達成度が低いと思う目標の高校生世代とZ世代の2位はいずれも「ジェンダー平等を実現しよう」となった。20256月に世界経済フォーラムが発表したジェンダー・ギャップ指数では、日本は146か国中118位でG7(主要7か国)の中で最下位となっており、日本のジェンダー平等に対しては、若者も厳しい見方をしていることがわかる。

 

■環境問題の解決にイベントやプロジェクトへの参加が有効

環境問題の解決に向けて個人が取り組めるアクションについては、高校生世代の73.3%が、「環境系NPOや市民団体イベント活動にボランティアとして参加する」や「地域の再エネや省エネのプロジェクトに参加・見学する」ことを有効と回答するなど、イベントやプロジェクトへの参加を有効と考えている人が多い。高校生世代は全てのアクション項目について有効と捉える割合が高い。逆に大人世代はいずれの項目も「まったく有効だと思わない」との回答が2割弱あり、日常生活や経済に付随する活動をポジティブに評価している。

 

■環境問題の解決には政府や一般市民の行動が重要と考える

「環境問題を解決するために誰の行動が重要か」については、全世代共通で1位が政府、2 位が一般市民だった。一方、高校生世代では3位が国際機関(6.2%)、4位が教育機関(5.2%)であるのに対して、Z世代・大人世代は3位に企業(それぞれ5.4%8.9%)、4位はZ世代が国際機関(5.2%)、大人世代がその他(6.7%)という順になっている。


<調査概要>

調査目的:日本国内の一般生活者の環境問題に対する意識や行動の実態を把握する

調査対象:男女1301

(高校生世代1518 210人、Z世代1824  521人、大人世代2569 570人)

Z世代は高校生・高専生を除く

調査地域:全国

調査方法:インターネットリサーチ

調査時期:2025625()627()

有効回答数:1301サンプル

調査主体:公益財団法人 旭硝子財団

 

公益財団法人旭硝子財団

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