鳴門教育大学は、徳島県教育委員会と連携し、2027年度入試(2026年度実施)より導入する「地域教員希望枠」の出願要件となる高校生向けセミナー(全3回)の最終回を、12月21日に開催した。
本セミナーは、全国的な教員不足を背景に、単なる教員確保ではなく、地域の教育課題に対応できる「若手リーダー教師」を7年間の一貫教育で計画的に養成する「徳島スーパールーキー教員養成プログラム」の一環。
9月の第1回、11月の第2回に続き、最終回となった今回は、学部「学校教育実践コース」在学生に加え、大学院「教員養成特別コース」の在学生も参加。高校生が7年間の学びと教職のキャリアを具体的にイメージできる場となり、初年度の全日程を終了した。

現在、全国的な教師不足が深刻な社会課題となっている。単に教員の数を確保するだけでなく、複雑化する教育現場の課題に対応できる「質の高い教員」の育成が急務だ。
鳴門教育大学と徳島県教育委員会は、学部4年間と教職大学院3年間(うち2年目は教員として学校現場で勤務、3年目に勤務しながら教職大学院を修了)の7年一貫の養成システムとして「徳島版:地域教員希望枠」を構築した。「徳島版:地域教員希望枠」の大きな特徴は、入学した学生が同期の学修集団(コホート)を形成し、互いに切磋琢磨しながら成長する点にある。卒業後も学校間連携を推進できるネットワークを持った、即戦力かつリーダーシップを発揮できる教員の育成を目指している。
「徳島版:地域教員希望枠」の出願要件となる高校生向けセミナーでは、高校生が「教師という職業」や「徳島での教育」について深く理解し、意欲を高めるためのプログラムを展開した。
実施日9月21日
「生成AI時代に輝く小学校教育の魅力と可能性」をテーマに講義を実施。
また、ホワイトボード・ミーティングを活用したグループ討議を行い、高校生同士が「理想の教師像」について活発に意見を交わした。
実施日11月3日
徳島県教育委員会の担当者が登壇し、「いじめ・不登校への理解」や「教育DXの推進」について講義。
さらに現職の小学校教員を交えたグループ協議を行い、現場のやりがいや課題について生の声を聞くことで、参加者は教師という仕事の解像度を高めた。
実施日12月21日
入学後の学びを具体的にイメージするため、7年間のカリキュラムや実習計画を説明。
また、学校教育学部学校教育実践コースと教職大学院教員養成特別コースの現役学生も参加して、大学での学びや大学生活等について話し合うグループ協議を行った。
全3回を通じて、参加した高校生からは「教師になりたいという気持ちが強くなった」「大学での学びや、その先の現場での姿が具体的にイメージできた」といった前向きな反応が多く、特に、現職教員や大学生(先輩)との対話セッションでは、メモを取りながら熱心に質問する姿が見られたという。