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先端教育機構、小中学校における生成AI活用の実態を調査〜児童生徒の「ブラウザAI要約」利用率は約4割、浅い学びの懸念も

2026年1月5日

社会構想大学院大学の中川哲教授と上越教育大学大学院の榊原範久教授の研究チームは、生成AIの教育利用に関する実態調査を実施し、小中学校現場における「ブラウザAI要約」の利用実態を明らかにした。

 

■調査目的

本調査は、GIGAスクール構想のもと情報端末の活用が進む小中学校において、児童生徒による生成AIの利用実態を明らかにすることを目的としている。特に、検索結果に統合される形で自動表示される「ブラウザAI要約」に注目し、その利用状況・指導体制・学習への影響について、教育現場における実態と課題を把握することを目指した。

近年、生成AIが学習の支援ツールとして期待される一方で、誤情報のリスクや批判的思考の低下なども指摘されている。本調査では、教員が生成AIの利用をどのように捉え、どのように児童生徒の学びに影響を及ぼしているのかを明らかにし、「浅い学び」に陥らないための教育的対応や指導方針の検討材料とすることを意図している。

 

■主な調査結果

【調べ学習について】
  • ブラウザ検索を調べ学習に活用したと回答:教員の71.5%(779人)
【ブラウザAI要約について】
  • ブラウザAI要約を推奨したと回答:10.1%(85人)
  • 推奨しないと回答:84.3%(657人)
  • 児童生徒が教員の指示なく使用(自主利用)していると回答:38.5%(300人)※学
  • 校種ごとでは、小学校33.0%、中学校51.3%、義務教育学校36.4%
  • 児童が要約内容をそのまま用いる:38.6%(301人)
【対話型生成AIについて】
  • 生成AI要約を推奨したと回答:8.7%(69人)
  • 推奨しないと回答:88.6%(690人)
  • 児童生徒が教員の指示なく使用(自主利用)していると回答:18.2%(142人)※学
  • 校種ごとでは、小学校11.3%、中学校34.7%、義務教育学校28.6%
  • 児童が要約内容をそのまま用いる:21.6%(168人)

ブラウザAI要約の自主利用率は、対話型生成AIの約2倍にのぼる点が特に注目される

■考察・課題

  • 教員の多くが生成AIの利用を「推奨しない」とする一方、現場では“シャドー利用”(教員の指導外での使用)が広がっており、方針と実態に大きな乖離が発生。
  • ブラウザAI要約は、検索結果の上部に自動表示されるため、児童生徒が「検索→AI要約を結論として丸写し」する傾向があり、本来必要な比較・吟味・情報整理のプロセスが省略される懸念が浮上。
  • 特に中学校では、自主性の高まりや提出物へのプレッシャーが複合的に作用し、無批判な情報受容=「浅い学び」につながるリスクが高まっている。

 

■今後への提案〜「深い学び」設計のために

研究チームは、生成AIを学習に活用しつつ、思考を深めるための具体策として次の3点を提案している。

  1. 生成AIが要約した情報の一次情報源へさかのぼる工程を記録する
  2. 参照・引用箇所、比較した観点を提出物に含める
  3. AIの出力を“結論”ではなく“参考の一つ”として扱う姿勢の育成

 

<調査概要>

調査方法 Googleフォームによる4件法+「分からない」、自由記述あり

調査時期 2025年10月下旬~11月下旬

調査対象 関東・近畿・北陸の複数自治体(小学校・中学校・義務教育学校)の教員

回答数 1,090

 

本調査の詳細な報告は『月刊先端教育』2026年2月号に掲載されている。

 

社会構想大学院大学

学校法人先端教育機構

 

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